歩いて回るユダヤ教ツアー
カテゴリー: 投稿日:2020年11月 3日
すっかり暗くなるのが早くなりました、そしてついに2020年11月5日のガイ・フォークス・ナイトから2回目のロックダウンが始まることになりました。
パブにパトロールに来ていた女性警官の帽子を背後から取って走って逃げる若者など、TVを見るとモラルの低下もここまで来たのかと驚くような場面を目にします。
酔って騒いで人のことなどお構いなしな振る舞いをする方は、コロナにもお構いなしなようです。
コロナ禍前に行われていた、ユダヤ教のウォーキングツアーを紹介します。
移民の苦労や、生まれてから個人の考えとして植えついたユダヤ教の教えを守る人から、礼儀や道徳について学べるものがあるのではないでしょうか。
東ロンドンを歩いて回るユダヤ教ツアー

■Jewish London Walking tour
・住所: Stephen Burstin, 23 The Albany, Sunset Avenue, Woodford Green, IG8 0TJ, England
・URL: https://www.jewishlondonwalkingtours.co.uk/
ツアー最大の見どころ、一般人でもシナゴーグに入れる

通常一般人は入れないというシナゴーグに入れてもらえました。
シナゴーグに入れないと、ツアーの魅力が半減してしまいそうです。 お祈りをする祭壇など、一般人が立ち入ってはいけないエリアがあるものの、ユダヤ教のシンボル「ダヒデの星」があちこちにあるシナゴーグの神聖な空間を感じられます。 神聖なので装飾物に触らないように、と注意がされました。
ユダヤ教の跡地
東ヨーロッパは移民が住み着く過程で、貧しさや病気、差別などと戦ってきた歴史を持っています。下の写真は、20世紀のはじめ、1902年、ユダヤ教カレンダーで5662年にBrune street に移動してきたSoup kitckenという建物です。ここはかつて、貧しいユダヤ人コミュニティにスープとパンを提供していた場所とのことです。入口と出口が別々となっており、ワンストップで入口側のドアから入って食事をして出口から出るような構造になっていたようです。 入口の扉にWay in、出口の扉にWay out と書かれているのが見えます。
窓を囲んでいる特徴のあるカーブした装飾ですが、これはGreece keyとよばれる、ギリシャやローマでよく使われていた装飾だそうです。
下の写真の左側、銀色の高い柱の上に月のマークがランドマークになっている場所は、Brick LaneのもとGreat Syangogueとよばれるシナゴーグがあった場所なんだそうです。いまはGreat Mosqueとよばれるモスクになっています。
19世紀にユダヤ人がこの地に移住してきたときに、もともとはフランスから移住してきたプロテスタントが使っていた教会をシナゴーグに変えて信仰の場所としたそうです。そのあとユダヤ人コミュニティが北ロンドンに移るとともに、1947年から西パキスタンとの内戦から逃れてきたバングラディシュのコミュニティがBrick Laneあたりのおもな住人となり、それにともなってこの建物もモスクに変わったとのことです。
もともと150あった東ロンドンのシナゴーグですが、現在は4つしか残っていないそうです。このBrick Lane にあったシナゴーグもなくなってしまったシナゴーグのひとつだそう。
もともとあったコミュニティがいつの間にかなくなってしまうというのは、ロンドンではよくあることのようです。
かつてあったコミュニティが作った町並みや生活感は新しいコミュニティによって塗り替えられてしまうのですが、それでも建物などはそのまま残っていることが多いです。残った建物や目印になる時代の名残から、それぞれのコミュニティが町を作り上げた時代の移り変わりを知るのはおもしろいものです。