女王の即位60年を振り返るポートレート展

公開日 : 2012年05月26日
最終更新 :
筆者 : R. Andrews

ナショナルポートレートギャラリーで開催中の「The Queen: Art and Image」展に行ってきました。

戴冠式から現在に至るまでのエリザベス女王の姿を捉えた映像、絵画、写真などが時系列で展示されています。

この企画が面白いのは、単なるポートレート展に留まらず、それぞれの時代で、女王がどのような社会的イメージを持たれていたのか、また逆に王室がどのようなイメージ戦略を取っていたのかがアート作品を通じて読み取れるところです。

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Queen Elizabeth II, Queen Regent by Pietro Annigoni, 1954-5

(c) The Fishmongers Company

古典的なスタイルで威厳を示した50年代の肖像画、母としての面や私生活を見せる事で国民に近い存在をアピールした60年代の写真やドキュメンタリー、また70年代の反体制的時代に発売された、女王を揶揄するようなセックスピストルズのレコードジャケットなど、全くテイストの異なる作品が女王の即位60年の変遷を追っています。

誠に無礼ながら、物心ついた時から、女王は「おばーちゃん」だったので、こういう姿がしっくりくるのですが、

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Equanimity by Chris Levine (artist) and Rob Munday (holographer) 2012

(c) National Portrait Gallery, London

即位した頃のこんな美しい写真を見ると、まるで女優さんみたいで見とれてしまいます。

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Queen Elizabeth II by Dorothy Wilding, 1952

(c) William Hustler and Georgina Hustler/ National Portrait Gallery, London

父の兄エドワード8世が王位継承権を放棄するまでは、自分が女王になるなど考えもしなかったであろうエリザベス女王。父の急逝に伴い、突如25歳という若さで即位し、その後は国民に愛される英国王室を目指すも、子どもの離婚問題やダイアナ元妃が事故死した際の対応の遅れなどで、王室が激しいバッシングにさらされた時期もありました。

画家の回顧展に行くと、作品を通じてその人の人生に寄り添った気分になりますが、この展示会も、厚かましながら女王の幸せを共有した気分になったり、苦労を推し量ってみたり、見終える頃には、存在が前よりもぐっと近くに感じられるエキシビジョンです。

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Queen Elizabeth II and The Duke of Edinburgh, Windsor Castle 2011by Thomas Struth

(c) National Portrait Gallery, London Thomas Struth 2011

National Portrait Gallery「The Queen: Art and Image」

期間:2012年10月21日まで

開館時間:10:00-18:00(木・金は21:00まで)

入場料: £6.60

住所:St Martin's Place, London WC2H 0HE

TEL:020 7306 0055

最寄駅:Charing Cross駅

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