Do not translate "Saudade"

公開日 : 2012年07月15日
最終更新 :
筆者 : たま

みなさん、"Saudade(サウダ-ジ)"という言葉を御存知でしょうか?

ポ和辞書で調べると「郷愁」とあるのですが、実際は少し違います。

Saudadeとは過去や失った物に対する懐かしさ・悲しさ、愛してやまない人への恋しさなどが入り混じった感情

なんです。

このSaudadeをちょっと物悲しいメロディに乗せて歌い上げるのがポルトガルの伝統音楽、

Fado(ファド)です。

はじめまして」の項でポルトガル人の愛する3つのFと紹介したうちの一つがこのファドです。

なんと去年の11月にユネスコの無形文化遺産に登録されています。

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ファドの発祥には諸説あるのですが、大航海時代にブラジルに連れて行かれたアフリカ人奴隷たちの音楽や舞踊が現地ブラジルの文化と融合してできたものが起源というのが有力です。

その後、リスボンの下町で庶民のつかの間の娯楽として歌われるようになって、19世紀ごろに現在の形が出来上がったといわれています。

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途中サラザール時代の検閲で厳しく管理されたり、西欧諸国からロックやポップなどさまざまなスタイルの音楽が流入したりして低迷した期間もありますが、アマリア・ロドリゲスをはじめとする歌手の尽力により、ファドは国内だけでなく世界各国にその名をとどろかせていきました。

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↑検閲により発行禁止になったファドの歌詞

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↑ファドの代表的な歌手といえばアマリア。リスボンのお土産屋には必ず彼女関連のグッズがおかれています。[引用:http://www.ezimut.com/passeios/roteiro-do-fado/attachment/amalia-rodrigues]

アマリアの後継者(議論はありますが)として有名なのがマリーザ(モザンビーク出身)、デュルス・ポンテス、テレザ・サルゲイロあたりでしょうか。

彼女たちの、透明感を残しながら地を這い空間を包み込むような力強い歌声にははっとさせられます。

ところで、ファドといってもリスボンだけで有名なわけではありません。

リスボンでは女性一人が朗々と歌い上げるスタイルですが、コインブラでは男子学生たちが退屈な学生生活や恋愛事情をユーモアや皮肉交じりに歌い上げるという形を取っています(※先日、ブログの読者様よりご指摘があり確認したところ、とある文献に「コインブラファドの最大の特徴は"恋愛"と"学生生活が終わってしまうことに対するしみじみとした気持ち"」とありました。上記だけではなくテーマは様々であると訂正させていただきます:))。

他にもリスボンとコインブラとではスタイルに違いが見られるのですが、それはごらんになってみてからのお楽しみ♪

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↑こちらはリスボンファドで使われるギター。さてコインブラでは...?

もっとファドに詳しくなりたい!という方はぜひMuseu de Fado(ファド博物館)へ。

ファドの歴史を追いかける形で展示されています。ソファに腰掛けながらファドが聞けるスペースもありますので、ファドハウスに生演奏を聞きに行く前に立ち寄ってみては?

Museu de Fado:

メトロ青線Santa Apolónia(サンタ・アポローニア)駅から徒歩やく5分

開館日時 火~日 10時~18時(入館は17時30分まで)

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