レオン流、セマナ・サンタの楽しみ方

公開日 : 2019年02月08日
最終更新 :
筆者 : 石田妙

こんにちは。レオン特派員の石田妙です。

今回は、少し気が早いのですが、レオンの春の風物詩、セマナ・サンタについてご紹介します。セマナ・サンタは、イースターや聖週間とも呼ばれ、もともとはキリストの復活を祝う宗教行事でしたが、レオンを始めとするスペイン各地では、大切な伝統のお祭りとして行われています。

毎年、春分の日から数えて、最初の満月の後の日曜日が復活祭の日とされ、その前の一週間がセマナ・サンタと呼ばれます。2019年は、4月14日から4月21日にあたります。

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セマナ・サンタのメインイベントは、パソという聖書にまつわる人物を飾った、お神輿のようなものを担いで街を行進する、プロセシオンというものです。それぞれのパソは同じ教会に属するグループのメンバーによって運ばれ、聖書のそれぞれの場面を象徴していますが、宗教的な興味がなくても、その美しさには目を奪われます。

地元のスペイン人がセマナ・サンタをどう祝うかは、地域によって特色が出ますが、レオンのものは、きらびやかではなく控えめで、厳かに行われることで知られています。その歴史は長く、レオンで最も古いグループは1578年に創立されたものといわれています。

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また、レオンのセマナ・サンタは、パソの行進以外のユニークな習慣があり、スペイン各地から観光客を集めます。

一つ目は、matar judíos というものです。セマナ・サンタ期間中のレオンでは、¡Vamos a matar judíos! というフレーズをよく聞きますが、実際に意味するものは、ユダヤ人(judíos)とは全く関係ありません。

ここでいう matar judíos とは、レオンのセマナ・サンタ名物の、リモナーダ(サングリアの一種)をタパスと一緒に楽しむことを指すのです。レオンの旧市街のバル通り、バリオ・ウメドでは数々のバルで、特製のリモナーダがふるまわれるので、一杯ずつ色々なお店で楽しむのがレオン流です。

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もう一つレオンのセマナ・サンタでしか見られないのが、「ヘナリンの葬列」という行進です。ヘナリンとは、実在したレオンの有名な酔っ払いで、1929年にごみ収集車にひかれて死んでしまったことから、翌年のセマナ・サンタに、4人の残された仲間が集まって自由奔放に生きたヘナリンを懐かしんでいました。

それを機に、毎年のセマナ・サンタの木曜日にたくさんの人が集まるようになり、今では、お酒の瓶を手に持ったヘナリンのパソが、レオンの旧市街を、他の本物のパソと同じように行進するまでになったのです。

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(写真提供:Cofradía de Nuestro Padre Genarín)

スペインで最も重要なお祭りの一つ、セマナ・サンタをレオンで体験してみませんか。厳かな伝統ある行列と、リモナーダとタパス巡り、そしてヘナリンの葬列と、地元の人も楽しみにしているイベントになっていますので、春の旅行にご検討されてみてはいかがでしょうか。

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