歴史的人物が多く訪れた、チェコ最古の温泉町テプリッツ

公開日 : 2018年09月02日
最終更新 :

ライプツィヒのあるザクセン州東側はチェコと隣接しています。車で2時間ほど走ればそこはもうチェコ。今回は国境沿いの温泉町、テプリッツをご紹介いたします。

東ドイツのエルツ山脈と、チェコの中部山脈の間に位置するこの町は、かつてその美しさと国際的な威信から「小パリ」と称されていました。

また著名人が多く訪れた歴史も刻まれています。

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チェコの温泉町といえば、カルロヴィ・ヴァリ-が有名ですが、実はこのテプリッツの温泉は起源が最も古く、762年に源泉が発見されたとのこと。

その源泉が今もチョロチョロと流れ出ているところがここ。

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46℃ということですので、たしかに暖かい。でも日本の温泉に比べたらぬるいですね。

資料によると、ある日豚飼いの少年が、足を引きずって歩いている子豚を飼っていたところ、ある日他の豚よりも元気になったので、その豚がいつもどこに行っているのか追ってみると、温泉が湧き出るところにいるのを発見したとのこと。それがテプリッツの温泉の起源だそうです。

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そしてその背後にある建物には、1812年ベ-ト-ベンが宿泊していたとあります。

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テプリッツで書かれたとされる「不滅の恋人」への手紙はここで書かれたのではないかといわれています。

晩年耳が悪くなり、健康状態もすぐれなかったベ-ト-ベンは医師からテプリッツでの温泉保養を勧められ、何度も訪れたようです。

そして、お城の広場に面して建っているのがかつてのお城。

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12世紀後半に、ユディット王妃がここにベネディクト修道院を建てたのがお城の起源ですが、修道院自体はフス戦争でほとんど破壊され、お城自体はその後15世紀半ばにお城として改築されていきます。

今は博物館になっていて、お城、修道院跡いずれも、1時間おきにガイド付きで見学可能です。いずれも入場料は50クロ-ネ。

とりわけ修道院跡は、ユディット王妃の頭蓋骨をはじめ、ロマネスク様式のクリプタや、修道院跡の遺跡などがとても興味深いです。

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ここで、1812年ベ-ト-ベンはゲ-テと会ったとのこと。

その他、ショパン、リスト、ワ-グナ-、プロイセン王、オ-ストリア皇帝など数多くの歴史的人物がこの町を訪れています。

今でも、立派な建物のクアハウスが点在。

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こちらはベ-ト-ベンという名前のクアハウス。

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物価も安いですし、レストランの食事もとても美味しいテプリッツの町で、のんびりチェコの温泉保養を楽しんではいかがでしょうか?

筆者

ライプツィヒ特派員

シェーファー 玲子

2008年夏よりドイツ中東部の町ライプツィヒ在住。現在はライプツィヒにてフリーランスと主婦業に従事している。

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