アメリカからの一時帰国、やっぱりたいへんなの?

公開日 : 2020年12月28日
最終更新 :
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ただいまアメリカから一時帰国しています。親戚や友人に一時帰国していることを伝えると、皆一様に「どうやって帰ってこれたの?」「帰ってきて大丈夫なの?」「ホテルで隔離中?」などと矢継ぎ早に質問をぶつけられました。

やむを得ない一時帰国とはいえ 、航空券予約の変更が手数料なしでできることを確認し、念のため出発1週間前にラスベガスでPCR検査を受け、日本への入国とアメリカへの再入国について直前まで情報を集めたうえで、ほぼ大きな問題はないだろうと判断しての帰国です。

とはいうものの、具体的な情報があまりなかったので「日本への入国ほんとに大丈夫かなぁ」と、曖昧なモヤモヤした不安があったのも事実。

せっかくの機会なので、一時帰国にあたりアメリカから日本への入国時の体験をお伝えしようと思います。いま日本への一時帰国を考えている方は、この記事を読んでそんな不安を少しても取り除いてもらえればうれしいです。

日本への入国時に行われることは?

まず現在、日本人が海外から日本へ入国する際には:

・入国後14日間の待機

・待機場所への移動には、公共交通機関を使用してはいけない

・加えて、特にコロナウイルスが流行している地域から来た人は検査を受ける

・検査結果が出るまでは空港内で待機する

ことが必要となっています。

特に流行している地域というのは、「入国拒否対象地域」として定められている地域。北米はアメリカとカナダがこれにあたります。

厚生労働省のウェブサイトから抜粋

全ての国・地域から入国される全ての方:

□検疫所長が指定する場所(自宅など)で入国の次の日から起算して14 日間待機する滞在場所を確保すること

□到着する空港等から、その滞在場所まで公共通機関を使用せずに移動する手段を確保すること

□入国後に待機する滞在場所と、空港等から移動する手段を検疫所に登録すること

加えて、入国した日の過去14日以内に『入国拒否対象地域』に滞在歴のある方:

□新型コロナウイルスの検査を受けること

□検査結果が出るまで、原則、空港内のスペース又は検疫所が指定した施設等で、待機すること

検疫における新型コロナウイルスの検査結果が陰性でも、入国の次の日から起算して14日間は、

ご自身で確保した滞在場所で待機することが要請され、保健所等による健康確認の対象となります。

**なお、12月26日より「変異種が見つかった国・地域からの入国者への検疫は強化する」となっています。

羽田空港到着後の流れは?

今回はデルタ航空を使って、ラスベガス→シアトル経由→羽田空港のルートで帰国しました。

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ラスベガスからの国内線は半分ほどの席が埋まっていましたが、シアトルからのフライトは、ざっと見渡して席の埋まり具合は2~3割といったところでしょうか。こんなに少ない乗客で国際線を飛ばしてもらって、申し訳ないと思ってしまうほど。でも「密」ではない空間に少しほっとします。

機内では食事するとき以外は常にマスク着用。マスク着用については離陸後何度かアナウンスがありましたが、特に強調して言われていたのが酸素マスクを使うときのこと。機内の気圧が変わるなどして酸素マスクが出てきたときは、まずフェイスマスクを外してから、酸素マスクをつけるようにとの注意です。

確かにー。マスクに慣れたはずのいまでも、ついマスク越しにアイスコーヒーのストローに口をつけようとしてしまう私は、気が動転していたらマスクの上から酸素マスクをつけてしまうかもしれず(笑えない!)肝に銘じた次第です。

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出発してから9時間と少し、2回目の食事が終わり羽田へ向けて高度が下がり始めるころ、機長からのアナウンスがありました。それによれば、羽田到着後は検疫官の指示に従って降機後に検査を受けてからの入国となるとのこと。検査があることは知っていたものの、ちょっと緊張感が高まります(笑)

続いて質問票と健康カードなどの書類が配られ、到着前に記入を済ませるようフライトアテンダンドの方から説明がありました。質問票はおもに健康状態や14日間の滞在先・移動手段について記入するもので、健康カードの方は、入国後の待機期間についての諸注意が書かれています。

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着陸後はすぐに降りられず機内待機です。ほどなくして検疫官の方が乗り込んできました。これから行われる検査と入国の手順について、英語と日本語で説明したあと、いよいよ降機となります。飛行機を降りる際は、前の人との間隔を空けて順に進むよう注意を受け、検査場へ向かいます。

空港内のゲートからゲートへひたすら移動して検査と結果受取り

どうやらこれまでデルタ便で利用していた出発ゲートのいくつかを検査専用のエリアとして使っているようです。この日は入国審査場に近い112番ゲートに着いたものの、検査が行われている143番ゲートまで移動するように指示されました。

143番へ向かうには、普段到着ゲートから入国審査場へ向かって歩く通路を逆行することになり、動く歩道も使えないので10分ほど黙々と歩きます(手荷物をもっと軽くしておけばよかった!)。

検査会場では、まず機内で記入した必要書類がすべて揃っているかどうか確認されます。そして渡されたのが、蓋つきの小さな容器。唾液検査用の容器です。

周りにしつらえられたブースの中に入ると、目の前には梅干しやレモンの写真が。つばが出やすいようにという心遣いですね。容器に書かれたラインまでつばを入れたら終わりです(量は1~2mlとのこと)。

検体を提出してから移動した114番ゲートで書類審査。ここでは健康状態のほか、自主隔離の場所やそこまでの移動方法を訊かれます。自主隔離の場所は自宅で、レンタカーで移動することを説明すると、特に詳細は訊かれずOKになりました(なお、自宅ではなく空港周辺のホテルで自主待機を行う人のためには、ホテルへの移動に利用する周回バスが用意されているようでした)。

これで検査終了ですが、移動はまだ続きます。次は検査結果待合所となっている146番ゲートへ移動。ここにあるサインボードに結果の出た検体番号が次々と表示されていきますので、自分の番号が表示されたら窓口へ行って、結果を教えてもらうという流れです。質問などがあればここで対応してくれるようでした。

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今回、待合所に着いてから結果が出るまでの待ち時間は40分ほど。最低でも1時間は覚悟していたのですが、考えてみればシアトルからのフライトの乗客は少なかったので、待ち時間も短くて済んだようです。

結果は陰性でしたので予定通り家に帰れます。ほっとしました。足取りも軽く下の階へ降りて、入国審査場へ。入国審査後はいつもの通り、荷物を受け取り税関を通って帰宅です。飛行機が羽田に到着してから、唾液検査を受けて結果を聞くまでの所用時間は80分弱というとことろでしょうか。

次にやることは、帰宅のためのレンタカー確保です。

レンタカー利用なら、「乗り捨て」で出発前の予約がベスト

到着ロビーにあるレンタカー受付カウンターで、レンタカー会社からの迎えの車両との待ち合わせ場所を教えてもらいます。待ち合わせ場所のターミナル内の駐車場に着くとすでに係員の方がいらして、待つことなく迎えの車に乗れました。

10分ほどで、レンタカー会社に到着。係員の方が荷物を降ろしてくれている間に窓口で手続きを済ませ、車の確認をしたら一路自宅へ向けて出発です。

ところで、今回レンタカー予約はアメリカ出発前にオンラインで済ませておきました。トヨタレンタカーを羽田で借りて、自宅最寄りの支店で返す「乗り捨て」で、帰宅翌日に返却する1泊2日の利用です。予約時間は、余裕を持ってフライト到着時刻の3時間後にしておいたのですが、検査が予想外に時間がかからなかったこともあり、予定よりだいぶ早めに借りることができました。空港内のレンタカー受付カウンターでも当日予約ができますが、乗り捨てで借りる場合は、自宅近くに支店のあるレンタカー会社でないと利用が難しいこともあり、予約できる会社をみつけるのに時間がかかるのではと思います。

実際、当日カウンターで乗り捨てのレンタカー予約をしようとしている方がいらっしゃいましたが、私がカウンターを離れるときもまだレンタカー会社を決められずにいましたので、やはり事前に予約をしておくに越したことはないと思います。

毎日かかってくる健康チェックの電話

さて、家に着いた翌日から、地元の保健所から電話による健康確認が行われます。自主隔離中の14日間毎日です。

いまはLINEを使って健康チェックのメッセージの受け取りと回答ができるそうなので、これは便利!と思ったのですが、日本国内の携帯番号がないと登録ができないそうで、泣く泣く電話連絡の方法を選びました(今回は滞在中のレンタル携帯やSIMカードなどは使わないため、日本の携帯番号がありません)。

到着翌日、電話のことをすっかり忘れていて、レンタカーの返却がてら買い物をして帰ってくると、留守電に保健所からのメッセージがありました。しまった!と思ってもあとの祭り。次の日は電話に出られましたが体温を測っておらず、「体温は毎朝測ってくださいね。電話連絡は毎日午前中にしますので、必ず電話に出てください」と、やんわりと注意されてしまいました。電話ではその日の体温と体調不良の有無を報告して終わりです。

一時帰国はやっぱりちょっとたいへん

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私の場合、たまたま羽田空港からレンタカーを運転して帰れる距離に自宅があったので、14日間のホテル待機の必要がありませんでした。でも、自宅までの移動に国内線の乗り継ぎや電車での移動が必要な場合、14日間のホテル待機は時間もコストもかかり、一時帰国は現実的ではなくなるようにも思います。安心して誰でも一時帰国ができる日が来ることを願ってやみません。

この記事をアップした今日、晴れて自宅待機期間が終了します。安全に日本に入国できて滞在中も安心して生活できるのは、現場で検査に携わっている方々をはじめとして、保健所の職員の方などたくさんの人たちおかげだな、という気持ちをあらためて強くしたこの2週間でした。

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*この記事の内容は、2020年12月14日時点のデルタ航空による羽田空港到着のものです。海外から日本への入国にあたっては関係省庁の最新情報を確認してくださいね。

筆者

アメリカ・ネバダ州特派員

石川 葉子

ラスベガスに来て20年ちょっと。ローカルツアーオペレーター出身のフリーランスライターです。

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