隠れた名所かも?ロストシティ博物館-Lost City Museum
「Lost City Museum」・・・何やらミステリアスな響きのある博物館があります。
ラスベガスからフリーウェイで1時間ちょっと、バレーオブファイヤー州立公園の先、
Overtonという町にあるここは、先史時代から生活をしていたネイティブインディアン
(プエブロインディアンやそれ以前の住人たち)の遺跡とそれにまつわるちっちゃな博物館。
このあたりは、少し北にあるWarm Springsから流れてくるMuddy Riverの
豊富な水のおかげで、豆類やトウモロコシ・カボチャや綿花などの栽培をして定住する人たちの集落が、
延々50㎞近くに渡って作られていたのだそうです。
紀元前300年から西暦1150年ごろまでの間、そうやってネイティブインディアン達が
農耕生活をしていたわけですが、この集落一帯は1150年代に突然消えてしまいます。
(この一帯に訪れた旱魃のためだとか)
時は流れて現代となり、1924年に地元の兄弟によってこの集落跡
「Pueblo Grande de Nevada(=Nevada's Lost City)」** が見つけられてから、
発掘作業が始まりましたが、折りしもフーバーダムの建設により
この遺跡の一部がミード湖の底に沈むことがわかり、発掘品を収容するために
博物館の建設と相成ったわけです。**Pueblo(プエブロ)は「集落」という意味もあります。
突然消えてしまった集落とさらにその遺跡の水没ってことで、
「ロストシティ」なんですね。
博物館は、日干しレンガ(Adobe)で作られたプエブロインディアンの住まいを模したデザイン。
地元の材料で作られたレンガを使い、バレーオブファイヤーから集めてきた石を床に敷き詰めた建物は
「Boulder Dam Park Museum」として、1935年完成。Boulder Damは、フーバーダムのこと
今年で、75歳です!
フーバーダムは大恐慌時代のさなか、ニューディール政策の一環として建設されたものですが、
この遺跡の発掘作業~博物館の建設は、その一環であるCCC(Civilian Conservation Corps)
--失業中の青年を建設業や森林の保全作業に従事させる、いわゆる失業対策のプログラム--
に参加した若者達によるものだそうです。
館内は、遺跡の発掘から博物館の完成までを時系列で表したボードや
住居跡の展示を囲むように、先史時代から現代までのこの土地の変化についての展示とか、
もちろん発掘品のほか
キルトや焼き物・水彩画などの現代の工芸品がぎっしり展示されています。
ひっそりと静まり返った館内は、もちろんいまどきのインタラクティブな展示でなどはなく、
写真や展示品に添えられた説明パネルがびっしり並んでいます。(しかも文字たくさん!)
ひとつひとつの説明をじっくり読み続けていくと結構時間がかかるのですが、
丁寧に保存されている展示物とともに、個人的にはとても興味深い場所でした。
先史時代から現在までのネバダ州南部の自然史をさくっとお勉強できるだけでなく、
遺跡を発見して、保存しようとした人たちの熱意を垣間見れたというのが、良かったのかも。
博物館へ向かう間も、何てことはないんですけど気持ちのいい景色が広がります。
Overtonは、お昼寝しているような感じの静かな街。
道路の脇にもランチ(牧場)が広がっていて、馬や羊や牛たちのほかに、
ラマまでくつろいでいました...
木々の緑にあふれた清清しい街は(っていってもやっぱりすごく暑いですけど)、
ドライブするだけでも気持ちいいですね。
ロストシティ博物館、車がないと行かれないのですが、
バレーオブファイヤーに行く機会があったら、そのあとにちょっと立ち寄るのも面白いかもしれません。
Lost City Museum
721 S.Moapa Valley Blvd.Overton, NV 89040
P: 702-397-2193
オープン:(木)~(日)の08:30-16:30 (サンクスギビング・12/25, 1/1は休み)
入館料:$5/1名(2010年現在)
バレーオブファイヤー州立公園からは30分弱ということろでしょうか。
筆者
アメリカ・ネバダ州特派員
石川 葉子
ラスベガスに来て20年ちょっと。ローカルツアーオペレーター出身のフリーランスライターです。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。