ザイオン国立公園シャトル・バスの運行がスタート

公開日 : 2000年05月25日
最終更新 :

 先日お伝えした通り、ザイオン国立公園のシャトル・バスの運行がスタートしました。これで夏の間、公園のメインであるザイオン・キャニオン内の自家用車での観光は不可能になります。そこでもう一度おさらいです。 シャトル・バスは無料で、ルートは2種類あって、ザイオンのサウス・エントランスのすぐ外にある街スプリングデールからビジターセンターまでのものと、ビジターセンターから公園内テンプル・オブ・シナワヴァ間往復するもので、朝の6時30分から夜9時30分まで、時間帯によって、多い時は6~7分置きに、少ない時は30分置きに運行されます。スプリングデールのバス停は6ヶ所、公園内のバス停は9ヶ所あります。 車は、サウスエントランスに新しく出来たビジターセンターの駐車場、またはスプリングデールに宿泊している人は、宿泊先の駐車場に留める事になります。 ただし、ザイオン・ロッジに宿泊する場合は、ロッジまでのみ自家用車で行くことが出来ます。その際、予約後にコンファメーションと一緒に郵送される通行及びパーキング許可証の提示が必要です。また、この許可証はあくまでロッジに行くためのもので、観光そのものはシャトルバスを利用しなくてはなりません。 ここで注意したいのが、入園料です。まず、入園料そのものが値上がり、乗用車1台につき$20、車以外の交通手段で入園の場合一人$10になりました。少しややこしいのですが、この「自家用車一台」という定義ですが、もしビジターセンターの駐車場に車を留めてシャトルを利用する場合、車で園内を周る訳ではなくても、「自家用車一台」とみなされ、その車に何人同乗していても、$20ドルですみます。しかし、スプリングデールに車を置いて、そこからシャトルバスを利用すると、一人$10ドルを頭数分払うことになります。ですから、一人の時はスプリングデールから、三人以上の時はビジターセンターからシャトルバスを利用した方がお特です。二人の場合はどちらでも同じです。 ちなみに、一年間どこの国立公園、記念物に有効なナショナル・パークス・パス(旧ゴールデン・イーグル・パス)は$50ですので、ユタ州の国立公園をいくつも周る人は、パスを買った方がお特です。1枚のパスで、購入者本人はもちろんのこと、同伴の配偶者、子供、親をカバーしてくれるほか、「車一台」で入園料を取るところは、家族でなくても車に同乗している人全員をカバーしてくれます。 ところでこのシャトルバス、全米の国立公園の注目と関心を集めています。というのは、他の国立公園の多くも、将来的には自家用車通行を禁止し、シャトルバス、電車などの公共交通システムを取り入れようとしているところが多く、ザイオン公園のシャトルバスの評判によってはこれから計画中の国立公園内交通システムの内容に影響を与えるからです。 国立公園が公共交通システムを推している一番の理由は環境保護で、排気ガスなどによる汚染や車の騒音を食い止めるほか、違法駐車や交通渋滞を防ぐためです。シャトルバス利用は不自由かもしれませんが、次の世代にこの素晴らしい大自然を残すためにも必要なのです。 なお、公園の西側部分では従来通り車の通行が可能な他、ザイオン・キャニオン内も冬の間は自家用車の利用が可能です。また、チエッカーボード・メサ等があるZion-Mt.Carmel Highway(UT9号線)にはシャトルが走っていないので、この部分は自家用車の通行が可能です。公園の入り口で、Zion-Mt.Carmel Highwayを通り抜けたい旨を申し出ると、許可証を発行してくれます。ブライス・キャニオン国立公園に行くために、このルートを通り抜ける場合も同様です。この場合も、まだ公園の入園料を払っていないと、しっかり徴収されます(但し入園料は7日間有効ですので、既に払った人は領収書を捨てずに取っておきましょう)。 

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自家用車が発散する排気ガスの中には有毒な鉛が含まれていて、ザイオンを流れるヴァージン・リバーからも、鉛が検出されるようになってしまいました。シャトルバスは、プロパンガスを燃料としてるので、排気ガスの被害を減らしてくれることでしょう。余談ながら次の国立公園公共交通システムのターゲットは、グランド・キャニオン・サウス・リム及びヨセミテです。写真:ザイオン・キャニオンを流れるヴァージン・リバーとザイオンに咲いているウエスタン・コロンバイン☆ザイオン国立公園の地図やここに登場する地名や道路名等の詳しい情報は「地球の歩き方 国立公園編」をご参照下さい。

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