エルビス、海賊、シーザーにクレオパトラ、なんでもOK

公開日 : 1999年02月01日
最終更新 :

さて、無事ライセンスを取得したら、いよいよ結婚式です。印鑑を押して役所に結婚届を提出すると、法的に結婚したとみなされる日本と違い、戸籍がないアメリカでは、法的に婚姻したと見なされる為には、牧師、神父、判事、そしてミニスターと呼ばれる人達など、法律で定められた役職の人に式を司ってもらい、宣誓をしなくてはなりません。「この人を妻(夫)として・・・・」と聞かれ、「I do」とか「I will」と答えるアレです。この宣誓が行われる前までは、マリッジ・ライセンスは、「この二人は法的に結婚することが出来きます」という単なるお墨付きにしか過ぎません。

マリッジ・ライセンス・ビュローから1ブロック行ったところで、結婚コミッショナーの役職を持ったクラーク郡職員が式を挙げてくる、シビル・マリッジ方式(手数料$35なり)もありますが、味気の無い普通のオフィスで行われるので、やっぱりお薦めは街中に点在するチャペルです。

街中のチャペルは、空いてさえいれば予約がなくてもその場で式を挙げてくれます。式の内容はもうフレキシブル、ラスベガス名物、ドライブ・スルー挙式から始まって、やはり名物のエルビス・プレスリー(そっくりさん)がラブミー・テンダーを熱唱してくれる、エルビス・ウェデングまで、可能性は無限大です。これらのチャペルでは、安いところでは、$40程度で結婚式を挙げられます。しかしこれは、シビル・マリッジ方式より少し設定はマシといっても、宣誓して終わりなので、やはりもうちょっと奮発なされることをお薦めします。一生に何度とある訳ではないのですから。だって、$100~$300程度で、一応形の整った挙式が挙げられるのですから。結婚式には、式を司る人以外に証人が必要なのですが、心配はご無用。チャペルの職員が証人を引き受けてくれますし、それがダメなら見知らぬ通り掛かりの人も引きずり込んでしまう事も!私自身、見知らぬ人の結婚式の証人がいないからと引き止められて、いつのまにか厳かな顔をしながら人の結婚式に出席してしまった経歴の持ち主です。おめでたい事にはみんな協力的ですからご心配なく。

街中のカジノにもチャペルが併設してあるところが多く、こちらで式を挙げることも可能です。ただし、カジノ併設のチャペルは、やはり事前予約をしなくてはなりません。今話題騒然なのが、トレジャー・アイランドのCrown Jewel Pakageで、なんとあのカジノの前にある、普段は無料ショーが繰り広げられる海賊船上で式を挙げるというものです。ミニスターは英国の船長の装いで式を司ってくれます。お値段は、スイート・ルーム二泊、お食事券、エステ・サロン券付きで$2,999から。海賊の格好をした人が、指輪交換の直前に、結婚指輪を片手にマストの上から綱につかまって降りてきたり、新郎が海賊から新婦を助けてめでたく結婚!なんて、様々な別料金オプションもあって自由自在、カップルの思い思いの演出に相談に乗ってくれます。この海賊船結婚式を挙げられるのは、朝の10時かお昼の12時のみで、かなり前からのアレンジが必要です。自分たちがアトラクションの一部になってしまったみたいで、道行く人も普段と違う「アトラクション」に、立ち止まって祝福してくれること間違い無しです。なお余談ですが、海賊船ではないですが、トレジャー・アイランドのチャペルでは、あのクリント・イーストウッドも式を挙げています。

同様に、カジノのチャペルでお薦めなのが、シーザーズ・パレスのNeptune's Villa。海の神、ネプチューン(ギリシャ神話のポセイドンのあたる)の館という名の通り、LVのチャペルの中ではかなりロマンチックで、品のある造りになっています。こちらはウエディング・パッケージは$825からで、やはり別料金オプションで、このお二人以外誰がいる、の感のシーザーとクレオパトラ様が式に登場してくれます。オー・マイ・ゴッド!

これらのウェディング・パッケージは、普通挙式のみで、披露宴は含まれていません。また、衣装も別料金となります。 しかし、ウェディング・ドレスも比較的簡単にレンタルできます。ウェディング・ドレスでは無かったのですが、パーティ用のイブニング・ドレスを借りようと、私が、とある貸衣装屋を訪れた時の光景です。

貸衣装屋に飛び込んできた男女、タキシードとウェディング・ドレスを物色し始めました。するとお店の人が一言、「いつまでに必要なの?今夜?」

その、なんでもないように「今夜?」と言ってのける部分に私はぶっ飛んでしまいました。日本人だと体型が違うので、直しに時間がかかりますが、既成のサイズで大丈夫な人は、極端な話、式の当日でも衣装が揃ってしまうのです。さすがベガス。ちなみに、日本人でも小柄な私は、イブニングドレスの直しに二日かかりました。それでもすごい。男性の場合ほぼ当日で大丈夫だそうです。

宣誓を終えて、無事式が終了すると、これで二人は正式な夫婦。マリッジ・ライセンスは複写式の二枚つづりで、一枚は本人達に、もう一枚はミニスターがキープします。そうして、ネバダでは、マリッジ・ライセンスは、この時点でマリッジ・サーティフィケート(結婚証明証)と変身します。ミニスターは式後10日以内に、そのもう一枚の証明証をクラーク郡のオフィスに届けなくてはなりません。そして、夫婦の国籍や居住地等は一切関係無く、ラスベガスで式を挙げた人の結婚は、郡の役所に正式に登録される仕組みになっています。自分の手元に残るオリジナル結婚証明証は、記念になりますし、郡役所に請求すれば、証明書の写しをいつでも発行してくれます。

ついでながら、ネバダでは結婚の記録は公共の情報となります。どういうことかというと、だれでもあなたの結婚したという情報を得られるということです。こっそり結婚をしたい方には向いていないかもしれません。プロ・バスケットボールのデニス・ロッドマン選手のように、酔っ払ってて結婚したかどうか記憶が危ういというオトボケの方もご安心(!?)なんと、LVで結婚すると、インターネットで自分の結婚証明書があるかどうか検索まで出来きてしまうのでありました。

さて、結婚式の日として大人気のバレンタインズ・デーは、前日から、恋人達が永遠の愛を誓うため、ライセンスを取得しようと、マリッジ・ライセンス・ビュローに何百人もの人が詰め掛けます。今年はたまたま週末にあたるので、どっちみち24時間オープンになるのですが、平日にあたった場合も、バレンタインズ・デー前夜は夜通しでオフィスはオープンします。毎年建物の外にまで延々と列が続くのが風物詩となっていますが、もうみんなアツアツで、ちょっとやそっとの寒さもなんのその。殺伐とした砂漠に、派手なネオンがトレードマークのLVも、この日ここだけは、ほのぼのとした雰囲気が漂います。もう、ごちそうさま!の一言ですね。みなさんお幸せに!

次回はLVでの結婚式に便利な、お役に立ち住所、電話番号リストをお届けします。

293.jpg

挙式は昼間しか出来ないので、この写真とは趣がちょっと違うかもしれませんが、マストのトップから、海賊が結婚指輪を持って登場!なんか照れちゃいますね。

写真提供:トレジャー・アイランド(ミラージュ・リゾーツ社)

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。