「祇園祭り・後祭」山鉾巡り

公開日 : 2022年07月23日
最終更新 :
筆者 : Akio

《後祭り・・今夜は宵山。明日は山鉾巡行》

23日の朝、いくつかの山鉾を見て来ました。

山鉾はその形から鉾(ほこ)・曳山(ひきやま)・船鉾(ふねほこ)

傘鉾(かさほこ)・舁山(かきやま)に分類されて、鉾・曳山・船鉾が

大型の山鉾になります。

鉾は疫神(えきじん)の依代となる真木を立て、その先端に鉾頭が

取り付けられて高さが約25mにもなり車輪が取り付けられています。

曳山は舁山と同じように真松を立て、高さが約15メートルになり、

鉾と同じように車輪が取り付けられています。

船鉾は船の形をし、鉾と同じように車輪が取り付けられています。

まずは八幡山です。

「はちまんさん」とも呼ばれ石清水八幡宮が祀られている山。

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《続いて今年から復帰した鷹山》

鷹山は高さ約17m・長さ約6m・幅約4m。

屋根は高さ約1.5m・縦約4.9m・横約4.3mで、

奈良吉野のヒノキで作られています。

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鷹山は、応仁の乱以前より巡行していたとされる由緒ある山鉾です。

ご神体は鷹遣(鷹匠のこと)と犬飼(猟犬を扱う者)、樽負(道具等を運ぶ者)の人形3体。南観音山・北観音山と同じの大型の曳山です。

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江戸時代後期には黒漆塗に屋根の破風裏を金装飾した豪奢な姿であったと

伝えられていますが、文政9(1826)年の巡行で大雨に遭い懸装品を

傷めたため翌年以降巡行に参加しなくなり、さらに元治元(1864)年には

禁門の変(蛤御門の変)での大火でご神体の一部を除き本体等その大半を焼失、

以降は休み山となっていました。

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近年復興の気運が高まり、2014年には190年ぶりに囃子方を復活させ、

宵山期間中の演奏披露や奉納演奏、各地での出囃子などを行って来ました。

2022年より復興した曳山とともに巡行へ完全復帰となりました。

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続いて役行者山

役行者山は、三条室町上ルにあります。

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町名も役行者町です。

山鉾町の中でも鈴鹿山と並び最北端にあります。

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《華麗な懸装品の鯉山》

山の中で唯一、人物でなく魚をテーマにしたユニークな山。

竜門の滝を上る鯉は竜になるという『登竜門』の故事に由来し、

木製の鯉が勢い良く水しぶきを上げる様が表されていて、鯉は左甚五郎作と

言われています。

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鯉山の懸装品を拝見しました。

祇園祭の山鉾は様々な来歴を持つ懸装品で飾られる事がその魅力のひとつです。

なかでも西洋からもたらされたタペストリーを懸装品としたしつらえは、

その華麗な絵姿や細密な技巧と共に、アジアとヨーロッパを結ぶ壮大な交易路を経て都へもたらされたというロマンが伝わって来ます。

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鯉山は、16世紀に今のベルギーで織られたタペストリーを、

懸装品として仕立て直されたものが伝来している山です。

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そして、北観音山。

北観音山は高さ約17.00m・長さ約6.36m・幅約3.95m

北観音山は楊柳観音像・韋駄天立像を祀っていることに由来しています。

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御神体は楊柳観音像と韋駄天立像。明治4年から平成23年までは

後祭の先頭となっていましたが、平成24年からは幕末以前の巡行順に

戻されたため、橋弁慶山に続き25番目(後祭では2番目)の登場となります。

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以上23日に見た山鉾でした。

■祇園祭2022スケジュール

山鉾巡行7月24日(日曜日)

出発・烏丸御池 9:30

御池通寺町東入ル「くじ改め」 10:00

河原町御池「辻まわし」 10:05

四条河原町「辻まわし」 10:40

四条烏丸 11:22

花傘巡行は、10:00八坂神社発、11:43八坂神社着の予定です。

筆者

京都特派員

Akio

京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。

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