文学芸妓が愛した「祇園白川の紫陽花」
6月といえば紫陽花ですね。
祇園白川にも紫陽花が咲いてきました。
白川沿い朱塗りの玉垣の景色。
白川沿いは桜の木が多く、春の日には桜のトンネルとなります。
またここは、季節ごとの花が咲く場所でもあります。
桜の後にはツツジ。
そしていまは紫陽花が咲いてきました。
かつて祇園白川のこの辺りには「大友」(だいとも)というお茶屋がありました。
お茶屋「大友」の女将「磯田多佳」は祇園甲部の芸妓さんでしたが、一方で夏目漱石や谷崎潤一郎、吉井勇、志賀直哉、高浜虚子、浅井忠、横山大観など、多くの文学者や芸術家と交流した歌人であり、「文学芸妓」と呼ばれていました。
しかし時代が戦争後期に入り、戦局が悪化して、お茶屋「大友」も撤去され、多佳さんは終戦の年に亡くなられています。
多佳さんが好きだった花は紫陽花。
彼女は終生、雨の日と紫陽花を好まれていたそうです。
谷崎潤一郎が磯田多佳一周忌にちなんでつくった
手向けの歌2首は......
「しら河の 流れのうへに 枕せし 人もすみかも あとなかりけり」
「あじさいの 花に心を 残しけん 人のゆくへも しら川の水」
2022年6月のいま、祇園白川沿いには多佳さんが好きだった紫陽花が咲いてきました。
祇園白川
- 住所
- 京都市東山区新橋通周辺
- アクセス
-
京阪「祇園四条駅」より徒歩約3分、京阪「三条駅」より徒歩約5分
阪急「河原町駅」より徒歩約5分
筆者
京都特派員
Akio
京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。
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