京都でトップクラスのSNS映えポイント「桜の仁和寺」

公開日 : 2021年04月06日
最終更新 :
筆者 : Akio

関西の桜でラストを彩るスポットとして有名なのは、大阪造幣局「桜の通り抜け」と京都・仁和寺「御室桜」が二大定番ですが、今年2021年の仁和寺「御室桜」の開花は例年より1週間から10日ほど早く、4月5日の時点で「満開」となっています。(4月5日撮影)

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二王門、立て看板の文字は......

御室ツツジ 「見頃」

御室桜 「満開」

御室もみじ「葉芽ふくらむ」

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毎年の春、仁和寺は満開の桜で飾られます。

それは金堂前の染井吉野や鐘楼前のしだれ桜などが競って咲き誇りますが、その中でも中門内の西側一帯に咲く「御室桜」は江戸時代の頃から親しまれて来た桜です。

二王門をくぐり境内へと入ります。

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参拝受付で「御殿・観桜参拝セット」(800円)を求め 、まずは「御殿」へと向かいました。

御殿(本坊)は、宇多法皇の御所があった辺りに建つことから「旧御室御所」とも呼ばれ、白書院、宸殿、黒書院、霊明殿が渡り廊下で結ばれています。

これらの建物は、1887(明治20)年に御殿が焼失したあとのものですが、茶室「遼廓亭」(重要文化財)は、江戸時代の画家・尾形光琳の屋敷から移築されたもので、もうひとつの茶室「飛濤亭」(重要文化財)は、江戸時代末期に光格天皇の好みで建てられた草庵風の茶席です。

白書院から、白川石を敷きつめた南庭の眺め。

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宸殿から北庭の眺め。

池の奥に見えるのは茶室・飛濤亭。

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御殿を出て中門を目指します。

境内の参道両側の桜も満開です。

ここでは、有明桜や緑色した珍しい桜、御衣黄(ぎょいこう)も咲いています。

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いよいよ中門です。

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中門をくぐると「御室桜」のエリアが左側に広がります。

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順路に従い「御室桜」エリアの中を進みます。

桜は見事なまでの満開です。

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「御室桜」は、かつて江戸時代の儒学者・貝原益軒の書いた『京城勝覧』という京都の名所案内書にも紹介されています。

「春はこの境内の奥に八重桜多し、洛中洛外にて第一とす、吉野の山桜に対すべし......

花見る人多くして日々群衆せり......」と記されていました。

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《御室桜の特徴》

御室桜は遅咲きで、背丈の低い桜です。

近年までは桜の下に硬い岩盤があるため、根を地中深くのばせないので、背丈が低くなったと言われていましたが、現在の調査では岩盤ではなく粘土質の土壌であることがわかりました。

御室桜は背丈の低い桜ですから目の前に桜。

そして桜の奥に五重塔が眺められます。

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《御室桜を詠んだ歌》

「仁和寺や 足もとよりぞ 花の雲」  春泥

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「ねぶたさの 春は御室の 花よりぞ」 与謝蕪村

「花盛り 御室の路の 人通り」 桐奚

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《「春への義理」と表現された桜》

また小説家・川端康成さんは小説「古都」の中で、ここの桜を見ないと「春への義理」が立たないと表現され、「ひと目見たら、春への義理は済む」と書かれています。

御室桜と五重塔の景色は、京都でもトップクラスのSNS映えポイントです。

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境内では御室ツツジも見頃を迎えています。

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晩秋の頃、燃え上がる彩りを放っていたもみじも、新緑の世界です。

以上、桜満開の御室・仁和寺でした。

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【仁和寺】

・住所: 京都市右京区御室大内33

・アクセス: (電車)JR京都駅から市バス26号系統約40分「御室仁和寺」下車徒歩すぐ。京福電鉄御室駅下車徒歩すぐ/(車)名神高速京都南ICから約40分。名神高速京都東ICから約40分

・駐車場: 500円

・観桜参拝料: 大人 500円、子供 200円

・時間: 8:30~17:00

・御殿・観桜参拝料: 800円   

筆者

京都特派員

Akio

京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。

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