当たらないと噂の生牡蠣
クロアチアに引越してから、初めて食べた生ものが「生牡蠣」でした。クロアチアに生牡蠣のイメージはなかったのですが、コルチュラ島方向に突き出た半島の根元に「ストン」という、ドブロブニクとコルチュラ島のちょうど中間地点に、養殖場あり生牡蠣フェスティバルありの牡蠣好きの中では有名な村があるというのです。
生牡蠣は当たるかもしれないからちょっと怖いな、とクロアチア人に言うと不思議な顔をされて、どうやら生牡蠣で当たった(体調が悪くなったり吐いたりする)経験もなく、そんな話は初めて聞くとのこと。偶然にしてはすごい。初めこそ半信半疑で控えめに抑えていたものの、日本の生牡蠣と比べてこぶりながらも1つ87円という安さ、陸路でドブロブニクからコルチュラ島に向かうときに寄られるアクセスの良さ、そして当たるかもしれないという恐怖心いらず、そんな三拍子揃って今まで食べた生牡蠣は数知れず、当たったこともないです。
先日参加したワインの試飲イベントの際に、「ブラジェヴォ(Blaževo)」という集落の牡蠣養殖場を訪れました。ドブロブニクを背にしてストンから車で30分ほど行ったところにあり、情報として出回っていないだけで現地ではずっとつくり続けているんだよなと、見知らぬ土地の初めて見る景色を目の前にして考えされられました。
代々受け継がれてきた伝統的養殖方法でやっているという現地の男性は親切に対応してくださり、当たらない牡蠣について訊くと、「生牡蠣を食べたあとに体調が悪くなったという話は聞いたことがない。生ものを食べる文化は一部の限られた地域のものだから、食べ慣れていないものを口にしたときに身体がアレルギー反応を起こしてしまうことはあるけど」「このような牡蠣をつくられることについては、まず海が綺麗。あとは定期的に水質検査をしている」「ベストシーズンは4月。夏の早朝や秋もボートに乗って見学することができる」「魚の養殖もしている」「生牡蠣と抜群に相性のいいスパークリングワインもつくっている。見た目もナイスだからお土産にピッタリ」
そういって見せてもらったのがこちら。ワインボトルは海中の藻がモチーフにされていて、確かにこれはインパクト大です。日本と同じように四季があるクロアチアですが、海水は温度変化が激しくなく、ゆるやかに変化していくため、ワインを海中に沈めて保存しているそうです。
日本のドキュメンタリー番組で気仙沼の牡蠣養殖場の方が特集されていて、「海づくりは山づくり」と言って植林活動をされていたことをクロアチアに来て思い出しました。綺麗な海のはじまりは山だとしたら、あちこち海から突き出ている巨大な石灰岩は、石灰の溶けた海水は、そんな海水で育った牡蠣は。
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OYSTER AND FISH FARM TOUR "ĐIDO"
住所:Blaževo,Pelješac peninsula,Croatia
電話:00385 91 480 9149
メール:matoancic@gmail.com
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