ネパールの父の日と、聖なる植物クス(クシュ)
毎年8月半ば~9月初め頃の新月の日、ネパールでは父の日をお祝いします。「父の顔を見る日(ブワコムクヘルネディン」と呼ばれ、今年は今日でした。
実父や父のような存在の人のもとを、贈り物をもって訪問します。
贈り物には、ネパール菓子・ミタイ(※)が用いられることが多く、2~3日前から準備をし、当日は特設売り場を設け販売するミタイ屋も。私がいつも利用しているミタイ屋にも、普段見ない種類の、きれいな菓子がたくさん並んでいました。
(※)ミタイ:主に、牛乳を煮詰めて作った、日本でいう「蘇」をもとに、色を付けたり、いろいろな形に成形したりしているものがほとんどで、濃厚なミルクキャンディのような味がします。小麦粉を生地とした揚げ菓子を蜜に漬けるものなど、かりんとうに似たものもあります。
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そして、特別な新月のこの日(クセ・アウンシ)は、ヒンドゥ教儀式で使うクスकुश と呼ばれる聖なる植物を新しくする日でもあります。儀式のたびに、このクスの束から少しずつ葉を抜き、使用されるのです。
聖草とされるクス、根は薬に使用されたり、葉は科学的にも浄化作用があることが証明されたりしているそう。
ただ置いておくだけでも、室内の「気」を清めてくれているような気にもなります。実際そういう効果もあると聞きます。お守りのような存在でもあるのですね。
オフィスにも、いつもお世話になっている司祭の方に新しいクスを届けてもらいました。
また、カトマンズ市内外出中には、前を走るバイクの後ろにクスの束を見つけ、「この人司祭師で、家々に届けに行くところなんだろうなあ」と、今日の日を感じながら、しばらく後ろを走ったのでした。
筆者
ネパール特派員
春日山 紀子
2000年よりカトマンズ在住。
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