【ネパール】象の供物が目を引く、ティラウラコットのサマイマイ寺院
お釈迦さま生誕の地・ルンビニからさらに西に約25kmほどの場所にあるティラウラコットのカピラ城跡。出家前のシッダールタ王子が29歳まで過ごした場所です。
シッダールタ王子が悟りを開くために出ていったという東門が有名なこの場所ですが、隅の方に、大小たくさんの象の供物が置かれている小さな寺院があります。
この寺院は、ヒンドゥ教「サマイマイ寺院」と呼ばれ、お釈迦さまの両親が当時、毎日の祈りや儀式の際にお参りしていたと言われています。
ここになぜ象の供物が置かれているのか。それにはこんな言い伝えがあります。
ある日、金のベッドに寝ていた母・マヤデビの夢に白い象が出てきたそうです。白い象は金のベッドを鼻で持ち上げ、城の周りをまわったあと元の場所に戻し、マヤデビのお腹の中に白い蓮の花を入れてくれたそうです。
その後マヤデビは妊娠し、シッダールタ王子を出産しました。このときサマイマイ寺院に象の置物を捧げたことがきっかけで、現代でも、参拝客の願いが叶うと象の置物を寄進するという、めずらしい習慣があるのだそうです。
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開発が進み、仏教の派手なテーマパークのようになってしまったルンビニに比べ、ティラウラコットはそれほど整備されておらず素朴な雰囲気が残り、悠久の時の流れを感じられる場所です。
ルンビニ観光の際には、是非ここまで足を延ばしてみてください。
※言い伝えについては現地の人から教えてもらったものです。一般的に知られている内容とは異なるかもしれません。
筆者
ネパール特派員
春日山 紀子
2000年よりカトマンズ在住。
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