薩英戦争で実際に使用された砲台がある『台場公園・薩英戦争砲台跡』をご紹介

公開日 : 2018年04月25日
最終更新 :
筆者 : ララ

台場公園・薩英戦争砲台跡

鹿児島県南大隅町根占には薩英戦争の砲台跡があります。

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薩英戦争は1863年に鹿児島湾で起こった薩摩藩とイギリス艦隊の戦争です。

この砲台は数十カ所つくられた砲台の中で、唯一当時の原型を留めています。

鹿児島市から垂水フェリーに乗り、約45分で根占港に着きます。

そこから大隅半島の西海岸を約1時間ほど南にドライブしていると、「台場公園・薩英戦争砲台跡」に着きます。

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駐車場の片隅から錦江湾を望む絶景スポットがあります。

対岸に薩摩半島が見え、❝薩摩富士❞と言われる開聞岳(標高924メートル)が見えます。

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駐車場から砲台跡までは170メートルほど歩きます。

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案内板で見ると駐車場からけっこうな距離を歩くような気もしますが、最初の階段以外は道も平たんで、海を眺めながら歩けば、砲台跡にはすぐ到着できます。

晴れた日は海が美しく、ドライブの休憩がてらの散策にはピッタリですよ♪

島津斉彬公使用の手水鉢

砲台跡に向かう途中に、第28代島津家当主・斉彬(なりあきら)公が使用したと伝えられる手水鉢があります。

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薩英戦争(1863年)の11年前。

1852年(嘉永6年)島津斉彬は、薩摩藩の各地の情勢や海岸防備を視察するため、大隅地方や日向地方を巡検しました。

11月12日に鹿児島市を出発し、垂水・鹿屋を経て、16日に小根占(現在の南大隅町北部)に一泊した後、翌日17日にこの場所の砲台を巡検しました。

この岩は、巡検のとき休憩で使用した手水鉢です。

現在、NHK大河ドラマ『西郷どん』が放映されており、私も毎回興奮して見ています。

実際にこの手水鉢を斉彬公が使われたのかと思うと、感動しました!!

歩みを進めて砲台跡へ

島津斉彬公使用の手水鉢から数十メートル進むと、砲台跡に到着します。

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大砲のレプリカが2基置かれています。

砲台の石垣は当時のままです。

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1862年(文久2年)8月21日、島津斉彬の異母弟である島津久光は江戸から薩摩藩に帰る途中、武蔵生麦村(現在の横浜市)に差しかかりました。

そこで、大名行列を乱した英国人リチャードソンを薩摩藩士が斬り殺し、他に2人を負傷させるという生麦事件が起きました。

生麦事件の翌年の1863年、イギリス艦隊が報復のために錦江湾に侵入し、薩英戦争が始まりました。

薩摩藩は鹿児島湾の沿岸に配置していた砲台でイギリス艦隊を迎撃しました。

イギリス艦隊はアームストロング砲という当時最新の大砲を使用していましたが、大砲に欠陥があり、天候も悪かったため、苦戦を強いられます。

薩摩藩の砲台の大砲は旧式でしたがよく戦い、イギリス艦隊の司令官を戦死させるという成果を挙げます。

しかし、砲台はことごとく破壊され、鹿児島城下も焼けてしまいました。

結局、どちらが勝ったのかはっきりしないままイギリス艦隊は横浜港に引き上げます。

薩英戦争後、薩摩藩はイギリスに近づき、五代友厚や留学生をイギリスへ派遣して、欧米の技術の吸収に努めました。

この薩摩藩の得た欧米の技術は、明治以降の日本の近代化に大いに貢献することになったそうです。

ここの砲台は、薩英戦争で発射する機会はなかったものの、鹿児島湾沿岸に作られた数十の砲台のうち、唯一原型をはっきりと留めています。

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ぜひ鹿児島に観光に来られた際は、大隅半島まで足を伸ばしてみてください。

美しい景色を眺めながら、歴史に触れてみてはいかがでしょうか?

台場公園・薩英戦争砲台跡の観光情報

アクセス

垂水港から南下し車で約1時間。

無料駐車場あり

トイレあり

鹿児島の観光情報を鹿児島観光ブログでも発信しています。

ぜひ、ご訪問ください!

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