ジンバブエのムガベ大統領が辞任 歓喜に沸く南アフリカのジンバブエ人

公開日 : 2017年11月22日
最終更新 :

ジンバブエのムガベ大統領が21日に辞任しました。

詳しい経緯は報道に譲りますが、ムガベ氏は最近、グレース夫人を後継者とする動きを強め、有力候補だったムナンガグワ前副大統領を解任。これを受けて、ムナンガグワ氏に近いとされる国軍の指導部が15日に反乱を起こし、ムガベ氏を軟禁して緊張感が高まっていたものです。

与党のZANU-PFはムガベ大統領に対して期限を設定して辞任を求めていましたが、大統領は拒否。議会で大統領解任に向けた弾劾手続きが開始された中で議長が、ムガベ氏からの書簡を読み上げて辞任を発表しました。

南アのジンバブエ人からも歓喜の声

失業率が90%とも言われる壊滅的な経済状況を受けて、ジンバブエ人の約5割が海外で暮らしていると言われています。

正確な数字は入手できませんが、最大のジンバブエ人受入国で100万人以上がが生活しているとみられる南アでも歓喜の声が聞かれました。

アフリカ諸国からの移民が多く住む、ヨハネスブルグのヒルブロウ(Hillbrow)からの映像です。

Zimbabweans celebrate the resignation of #RobertMugabe on the streets of #Hillbrow https://t.co/bNJQJ4ZAaQ

-- Nickolaus Bauer (@NickolausBauer) 2017年11月21日

Pandemonium & patriotism on the streets of #Hillbrow as Zimbabweans celebrate #RobertMugabe's resignation pic.twitter.com/MBERUIhdPH

-- Nickolaus Bauer (@NickolausBauer) 2017年11月21日

なお、ジンバブエの首都ハラレの様子は南アの国営放送SABCが詳しく伝えています。

国の未来はジンバブエ人の手に

ジンバブエ議会は今回、「憲法上の権限の悪用」や「前例のない経済崩壊」を招いたことなどを理由にムガベ大統領の弾劾手続きに着手していました。

2008年に経済政策の失態で招いたハイパーインフレは「前例のない経済崩壊」の最たるもので、最終的には100兆円ジンバブエ札なるものまでが登場するに至りました。

その後も経済は回復することなく、国民の一番現実的な選択肢は出稼ぎなのですから、言い訳のしようがないでしょう。

ムナンガグワ氏の政治手腕は未知数ながら、ジンバブエの未来がジンバブエ人の手に取り戻す大きな一歩となった、今回のムガベ大統領辞任劇。

南アの経済や雇用という観点から考えると、高い教育水準と勤勉さで南アの労働市場を支えているジンバブエ人たちが南アに残るのか、あるいは祖国へ帰る決断をするのかは大変気になるところです。旅行関連では特に、ホテルやレストラン業界に影響が出るかもしれません。

引き続き状況を見守っていきたいと思います。

photo credit: a-birdie mugabe via photopin (license)

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