Uberに続いてTaxifyまで標的に 南アフリカのタクシードライバーによる蛮行/旅行者のための南アフリカ治安情報(2017年9月版)
Uberの本格参入によって南アの生活は劇的に変わりました。でも、少なくともしばらくの間は、UberやTaxifyとのお付き合いを考えた方がいいかもしれません。旧来のメータータクシーによる暴力が激化しているのです。
UberやTaxify以前の飲み会事情
実は南アでは、飲酒運転が完全に違法という訳ではないんです(詳細はこちら)。とはいえ、飲酒運転はいろいろな意味であまりオススメできません。ですのでUber登場以前の南アで飲み会に行く場合、リスクを取って飲酒運転をする以外には、
1) 下戸の友達や家族を誘う
2) 運転代行サービスを利用
3) メータータクシーを手配
というのが主な選択肢でした。
ただし、毎回下戸の友達や家族が捕まる訳ではなし、運転代行サービスは月会費制がほとんどで割高、メータータクシーは車が古い割に高い、とそれぞれに欠点があってどれも使い勝手がいいとは言えませんでした。
Uberに次ぐTaxifyの参入 メータータクシーの蛮行
このような環境に南アで初めての配車サービスとしてUberが参入したのは2013年のこと。中間層以上にはスマホがすっかり浸透したこの国で、アプリで簡単に配車が行えて、しかも料金が割安な配車サービスが浸透するのは当然のことでした。2016年のTaxify参入を受けて競争も生まれて、配車サービスはますます使いやすいものに......なるはずでした。
ところが、これに怒ったのがメータータクシーのドライバーたち。
「客を取られた」
「UberやTaxifyは無許可で運行している」
との不満がついに、
「当局が動かないなら、自分たちで裁きを下そう」
と、あろうことか街中でUberやTaxifyの車を攻撃し始めたのです。それも、石を投げるなど生易しいものではなく、火炎瓶を使うなどの過激な手段で。
今年だけで300件以上の事件が発生 逮捕者も
2017年1月から現在までに発生した暴力の件数は、なんと300件以上。うち204件がPretoria(Tshwane)で、86件がJohannesburg、その他の地域で4件が発生しており、28人の逮捕者が発生しています。
Pretoria CBD、Sandton、Johannesburg CBD、O.R Tambo International Airportが襲撃のホットスポットとされています。
メータータクシーには強い非難の声が向けられていますが、当のメータータクシー側は、
「当局が動かない以上、自分のシマは自分で守る。どんな手段をつかっても」
と私刑の正当性を強弁するばかり。今月上旬には、Sandtonで2台が炎に包まれました。
政府は配車サービスのドライバーによるタクシー免許取得などを進めています。でも、メータータクシーが問題にしているのは免許の有無ではなく、「自分たちの商売がどうなるか」なのですから、これで問題解決といかないのは明らかなところ。
Pretoria CBD、Sandton、Johannesburg CBD、O.R Tambo International Airportでの利用はしばらく避けるのが賢明かもしれません。
Photo Credit: FotoDB.de、LakeAtitlanTours Flickr via Compfight cc
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