ソウェトで自転車に乗って走る、走る! 旧黒人居住区で大冒険(中編)

公開日 : 2015年06月25日
最終更新 :

アパルトヘイト下に都市で働く労働者のために都市近郊に造られた居住区タウンシップの中で、ヨハネスブルグ郊外に設けられたソウェト(Soweto)は最大級のものの1つです。この街を自分の足でしっかり見て回ろう!ということで、Soweto Bicycle Tourに参加しています。

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旧労働者宿泊所が集まるエリアへ 足元には汚水が流れる

ガイドさんによる体力チェックを終えてから再び走り始めて間もなく、かつて男性専用のホステル(簡易宿泊所)として使われていた建物が軒を連ねている場所に到着しました。

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これはシャックと飛ばれる掘っ立て小屋。見るからにすきま風が入り込みそうな構造で、この時期はとても厳しそうです。足元には汚水が流れています。ガイドさんの話によると、ここはソウェトの中でも生活インフラの整備がもっとも遅れている地域なんだそうです。

「ソウェトの人々は、反アパルトヘイト運動の先頭に立って不公正と闘ってきた(ガイドさん自身もソウェト蜂起に参加)。民主化が果たされたのに格差は広がり、富むのは一部の権力者だけ。共に闘ってきた仲間が政権を運営して20年も経つのに、今でもこんな環境での生活を強いられている人がいるんだ」とガイドさんは現状への憤りを隠しません。

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子どもが人なつっこいのはどこでも同じ。後をついてきた子どもが「ンジャーニ」と挨拶してきたので「ンポケーリンジャーニ」と返したら、ちょっとビックリしていまいした。まあ、こんな顔をしたアジア人がシャンガーン語(南アフリカの公用語の1つ)を片言でも話すとは思わないよね。

ソウェト蜂起の現場を経て、2人のノーベル平和賞受賞者を生んだビラカジ通りへ

続いては住宅地を抜けて、ソウェト蜂起で13歳の少年ヘクター・ピーターソンが殺害された現場に到着です。

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ヘクター・ピーターソンは、学校教育におけるアフリカーンス語の強制を受けて学生が主体となって行ったデモ行進、いわゆるソウェト蜂起の最中に、警察からの発砲によって亡くなりました。

この時の写真が全世界に出回ったことで、子どもにすら発砲するアパルトヘイト政権の残虐性が明らかに。これをきっかけに、国際的なアパルトヘイト批判の声が一気に高まったと言われています。

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現在この場所には記念碑が設置され、当時の様子を伝えるヘクター・ピーターソン記念館も建てられています。週末ということもあってか、記念碑の前でたくさんの人が記念撮影をしていました。

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少し自転車を走らせて、ネルソン・マンデラ元大統領の旧宅に到着です。「この通りは世界で唯一、二人のノーベル平和賞受賞者を輩出しているんだ。ソウェトのビバリーヒルズだよ」とガイドさん。ここでも、たくさんの人が記念撮影をしていました。

さて、出発からもうすぐ2時間が経とうとしています。この後もう一箇所立ち寄ってツアーは終了するはずだったのですが、これが思ってもみない展開に......後編に続きます!

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