えっ、大統領が宝くじに当選? 南アフリカのエイプリル・フール

公開日 : 2015年04月02日
最終更新 :

昨年は5月に総選挙を控えていたこともあって、政治ネタが優勢だった南アフリカのエイプリル・フール。2015年はどんなニュースが4月1日を盛り上げたのでしょうか。

計画停電は3Gへ 電力公社エスコムの新たな秘策?

今、南アフリカは深刻な電力不足です。そのため、電力需給の逼迫状況に基づいて3ステージに分かれている計画停電が日常的に行われています。

大手新聞社Dairy Starは、電力公社エスコム(Eskom)社がこんな状況を改善するために新たな計画停電「ステージ3G」を発表したと報じました。

同紙によると、この新しい計画停電策は主にスマホユーザーを対象としたもの。ステージ3Gの計画停電が行われると、FacebookとWhatsAppを使っているユーザーはインターネットから強制的に切断されます。

南アフリカには2000万人のスマホユーザーが存在することから、エスコム社はこの措置によって20メガワットの電源が確保できると試算。この計画停電が行われても従来のSMSや通話の利用には支障が出ないため、国民が被る不便は限定的だろうとコメントしています。

計画停電関係ではこの他に、「8歳以上の国民全てに30分以上の自転車発電を義務化 保健省が後押し」などのニュースが出たようです(記事確認できず)。

えっ、ジェイコブ・ズマ大統領が宝くじに当選?

私邸の改築に「セキュリティ向上」の名目で2億4600万ランドの税金をつぎこんだことが問題視されている、通称ンカンドラ(Nkandla)問題。

パブリック・プロテクター(オンブズマンに相当)のツリ・マドンセラ(Thuli Madonsela)氏が調査報告書で、工事費の一部に相当する2500万ランドを国に返還するようズマ大統領に勧告していますが、工事費の返還はなされていません。

こんな現状を皮肉ったのは、「ズマ大統領が宝くじに当選! これで工事費が返還できる」というこちらの記事です。

野党第一党民主連合(Democratic Alliance=DA)党首のヘレン・ジレ(Helen Zille)氏が「債務の返済を宝くじの当選金に頼るという知性に疑問を感じる」と冷静にコメントする一方で、同じく野党の経済的解放の闘士(Economic Freedom Fighters=EFF)のジュリアス・マレマ(Julius Malema)最高司令官がいつもの調子で「2500万ランドだけではなく、当選金すべてを返済に充てろ」と吠えている感じがちょっとリアルっぽいです。

大統領私邸の中心で「金返せ!」と叫ぶ

「仮に返金がされたとしても、とにかくズマに対して何か言わせろ!」。こう思っている南アフリカ人はそれなりにいるでしょう。そんな人にグッドニュース。なんと、渦中のンカンドラが宿泊予約の受付を開始したというのです。

ある意味敵陣(?)の中心に合法的に入り込めるというこれ以上にないオファーなのですが、お値段は破格の1泊1万ランド(=約10万円)。高い! とはいえ、2億4600万ランドをつぎ込んだ施設としては安いくらいの価格設定なのかも。南アフリカの有名な旅行サイトSafariNow.com上の紹介文風に書かれた施設紹介が、その豪華さを物語っています。

ズマ大統領私邸の中心で「金返せ!」と叫ぶ。「ズマチュー」がこれから流行するかもしれません。

大統領府が架空の大臣を発表 まんまと騙されるメディアも

南アフリカ大統領府は、道路・交通相など存在しないポストへの新たな閣僚起用を発表して、この報道を真に受けた一部メディアが「ニュース」として報じられる一幕がありました。

これに対して野党DAの議員は「面白いと思った」と感想を述べると同時に、「この真剣さで通常の公務にも取り組んでくれることを期待している」としています。

まとめ

これは裏を返せば、関心(期待にせよ怒りにせよ)が高いということ。説明が長くなるので取り上げませんでしたが、「歌手スティーブ・ホフメイアー(Steve Hofmeyr)がEFFに参画」なんてネタは政治に関心がなければ全く理解できませんからね。

ところで今年も大人気のズマ大統領、みんなの期待に反して(?)お金を返してみてはいかがでしょうか。さんざんエイプリル・フールでいじった直後のタイミングで言い出せば、みんなビックリして批判が多少弱まるんじゃないかと思うのですが......どうですかね。

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