サンタクロース像騒動

公開日 : 2013年10月30日
最終更新 :

サンタクロースのモデル聖ニコラウスは、現在のトルコ地中海沿岸にある町パタラで生まれ、おじの跡を継いでミュラの教会の祭司になった人物です。サンタクロースの逸話に変化したような、貧しい子供たちへの施しや手助け、漁師たちへの補助などを行い、一説によるとキリストのように奇跡を行ったとも伝えられています。正教徒にとってはとても重要な聖人とされ、第2のキリストと呼ぶこともあるよう。ミュラの名前は現在はデムレとなっていますが、聖地巡礼として、正教徒であるロシア人やギリシャ人の訪問が絶えない小さな街です。

さて、この街には小さいなりに中心広場があります。広場には銅像が付き物ですが、かつてこの中心広場に据えられていたのはロシア人の手による聖職者聖ニコラウス像でした。聖十字を縫い取ったケープを肩にかけ、人々に説くシーンです。ただし、コカコーラの広告戦略による赤い上着に黒い長靴、北欧風のそりに乗ったサンタが世の中に浸透してしまうと、この像は教会の中庭に移動させられ、中心広場には赤い服を着た日本でもおなじみのサンタさんが立つこととなったのです。ただし、これはまた3年前にトルコ人の彫刻家による聖ニコラウス像に建て替えられました。今度の聖ニコラウスは、子供をまとわりつかせた当時のアナトリアの漁師の風貌をしています。これにもまた違うと不満の声があるようです。

政治のトップが変わるごとに、その考えに従って変えられて来たサンタ像、地域再編によって文化事業はアンタルヤ管轄となったため、地元の考えだけでは今の聖ニコラウスを建て替えることは難しいようですが、まあのんきなイメージのサンタさんも生まれ故郷では大変ですねえ。

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