イスタンブル生活の値段

公開日 : 2008年04月25日
最終更新 :
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最近イスタンブール生活に見切りをつけて日本に帰る、という人が身の回りにぽろぽろと出始めて、なんだか寂しい。春はお別れの季節なんですねって、日本じゃあるまいし。

原因は物価である。

特に最後のこの5年、不動産を筆頭に物価の上昇はすさまじい。なのに給料は上がっていかないから、生活できなくなった人が出始めたということだ。トルコ人がなぜ生活していけるのか分からないという人も多い。

例えば13年くらい前であれば、私は友人と試算してみたのだが、なんと300万円ほどのまとまったお金があれば、トルコは資産を崩さずに生きていける国だった。銀行にお金をあずければ当時のハイパーインフレの影響を受けない外貨で預けても、年15%から20%の利息がついた。学生が住むような小さなアパートを100−150USドルで借り、食費や光熱費に100−150ドル。最低限の生活であれば300ドルでおつりが出たくらいだった。それが10年前にはアパートは300−400ドル台だったし、最近では日本人が住めるアパートの最低レベルは700ドルクラスだと思う。食費と光熱費でも300は見ておきたいし、暖房費がかさむ冬なんか300では足りないくらいだ。月の生活費が、1000ドル必要な街になった。

その間に、給料がどのくらい上がったのか?現地採用で働く日本人の給料は、昔は300−500ドルくらいだった。それでもトルコ人の給料から見ればいいほうだと言われたものだった。そこから1000ドルくらいまでは順調に値上がりしたといってもいいが、そこらへんで止まってしまった感がある。今も800-1300くらいが中心だと思う。リラ立てで少しずつだけれど値上げされてきたトルコ人の給料に完全に逆転されていることも多い。これでは生活を楽しむ余裕も貯金をする余裕もない。子供の学費を考えれば、日本のほうがというのもわかるが、日本も終身雇用も崩れ、スキルなしではワーキングプアーになりかねない国に変わっていてバブルの昔のようにはいかない。

なんだかせちがらくって、陽気の割には気が沈む今日この頃である。

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