電気は盗むもの?

公開日 : 2002年02月25日
最終更新 :

トルコには施工図というものがないから、電気配線は金と暇と電気屋のセンス次第。コードや配管が壁を走るなんておしゃれじゃないと内装デザイナー達は埋め込みを推奨するが、故障回数などを考えると、コードは剥き出しのほうがはるかに修理しやすい。それにしても縦横無尽に走った水道管やコードはどこにつながっているものやら素人にはちんぷんかんぷん。いやいやプロだって試し試し、いやもっと悪ければ、だましだましがトルコ式である。気がついたら隣の家にまで電気コードが引き込まれていたというのはどうやら日常茶飯事らしい。

近頃はかなり少なくなったが、それでも停電や断水はある。復興した時の一瞬の高電圧でブレイカーが落ちることもあるくらいだから、機械類にはいいはずがない。コンピューターなどの普及に伴い、個人で小型発電機を持つところも増えてきている。停電の夜は、発電機のぶおおんという騒音が響き渡る。懐中電灯とろうそくの灯りで、何時来るともしれない電気の復旧を心細い思いで待つ。エアコンやセントラルヒーティングが使えなくなるから、今の季節はガスストーブも常時スタンバイだ。

オスマンベイのアパートに住んでいたときには、あまりに長い停電が我が家だけのものだと気づいて調べてみたら、アパートの配電盤から個々のメーターに繋がるコードが一部焦げ、メーターもおしゃかになっていた。コードを取り替えれば電気は復旧したが、メーターは個人で買ってきて取りつけろと言う。取りつけなければ罰金なのだそうだ。老朽化させたのは私達ではないぞと何か釈然としないながらも、いくらかわからない罰金が怖くて、私達はさっさと新しいメーターを取りつけた。取りつけなければどうなったのか?

ラジカル紙が本日の朝刊で伝えるには、トルコで違法に使用されている電気は16、700、000、000KWに上るらしい。あまりに途方もない数字で、どれくらいなのか想像できないが、大きく電気を使うところであればあるほど配線をいじったりメーターを細工したり、調査員に賄賂を渡して数字を低く申請したり、七色の手管があるという。残念ながら、電気を盗むことはトルコの常識であるらしい。

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