モスク経営

公開日 : 2001年02月20日
最終更新 :

そろそろ2大宗教祭のひとつ、犠牲祭が近づいてくる。年末の断食祭以来、空港にはメッカ巡礼に向かう人々専用の出入り口が設置されたし、1年のなかでも最も宗教色が濃くなる時期ではある。

そんななか、現在のモスクのあり方を問う記事をいくつか見かけた。モスクはどこの家の近くにも必ずあるものだ。だからこそ、地域密着型モスクになってくると屋根続きで雑貨屋と繋がっていたりする。昔はモスクそばには必ず市場が設置されたというし、社会生活がモスクを中心に成り立っていた昔ながらの風習として、それはごく自然なことなのかもしれなかった。

ただあるトルコ人の気に触ったのは、モスク階下にはいったある店が、目障りな看板を上げたことである。M。そう、マクドナルドがあるモスクの下に出来て、ミナレットと同じくらいも目立とうかと言う看板を上げたのである。

他のモスクでは、トルコ・ナンバーワンシェアを誇る携帯電話サービス、トゥルクセル(日本で言うならさしずめドコモ)にミナレットを貸し出した。電波が届きにくい地区の高くそびえるモスクの尖塔に、携帯電話用のアンテナを取り付けたのである。

また、旅行ガイドなどでも案内があるが、モスクには必ず水道やトイレが併設されている。お祈りの前に身を清めることを目的としているのであって、本来、トイレを見つけられない旅行者の為にあるものではない。トルコ人は親切だから、困っている旅行者相手に貸し渋ることはないだろうが、好意に甘えている気持ちは忘れてはならない。しかし、最近はモスクに「トイレ」という看板を掲げ、こころづけの域をを超えるのではと思われる料金を設定して、トイレ業を運営しているモスクが増えているというのである。

このトイレ業、モスクに併設されているもの以外でも最近はかなりいい商売になるらしい。ウシュクダルだったか、どこかの市場の近くの公衆トイレは一日3000ドルを稼ぎ出すとニュースにもなった。公務員が300ドル程度の給料を貰ってる国である。信じられない売上だ。

確かにグランドバザール近くにもデラックス公衆トイレなるものが出来て、トルコの公衆トイレにしてはかなりこぎれい。トイレットペーパーまで手渡してくれるが、一回250,000トルコリラ。

50円近くする。2,3年前まで10円そこらだったことを考えると、かなり暴利とも思える。それでも人は、自然の欲求を止められない。デラックス公衆トイレの階段を、人々はひっきりなしに降りて行く。ううん。ここもいい稼ぎだろうな。

新聞で論議をかもしたマクドナルドの看板は撤去されたらしい。トゥルクセルのアンテナの契約は終了したのだろうか?トイレに関してはいくつかのモスクは、看板だけは取り外したと利く。

トルコ人のあるビジネスマンは、モスクにはトルコで「角を曲がる」(一気にお金持ちになること、今までここにいたのに角を曲がって姿が見えなくなるように、急に別世界の人になってしまうというような感じ)ヒントは、モスク経営にあるのかも、とコメントした。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。