年末ジャンボ宝くじ

公開日 : 2000年12月04日
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トルコのレストランや街角で見かける、帽子を被ったチケット売り。何を売ってるの?と聞かれることも多いが、これは宝くじ売りである。トルコのくじにもいろいろあって、50円足らずで買えるインスタントくじからナンバーズ、そしてユルバシュ・ビレットと呼ばれる年末ジャンボだってある。貧富の差が激しく、生活の向上を望むのが難しい貧しい層の人々にとっては、日本円でも何億、何十億という単位に達する当選賞金はそれこそ人生を変える。当った賞金をそのまま銀行に預ければ、利息だけで月に100万を超える収入が得られる。一攫千金を狙う人々は後を断たず、国庫を潤す大事な収入源となっている。さて、その年末くじ商戦も本番となった今、トルコの主な新聞を総なめに、取り上げられた記事がある。わが日本の、年末ジャンボ宝くじである。宝くじ販売窓口に列を成す人々の写真が大きく紙面を飾り、イスタンブールの日本料理店からのコメントも添えられたその記事内容とはこうである。<b>日本の宝くじにトルコ人興味深々</b>トルコの正月特別くじに大きなライバルが現れた。日本の宝くじが、今年度賞金として掲げた1,250,000,000,000,000トルコリラ(約2000億円)と言う数字は、日本人だけではない、トルコ人をも狂わせた。2ミリオンリラから購入できるこのくじを、なんとかトルコで手に入れることはできないかと、日本領事館や日本料理店に問い合わせが殺到している。この記事を読んだ在トルコ日本人である私達の方が腰を抜かした。2000億円?そんなはずは、と新聞の写真を良く見ると、窓口には三億円の文字。ううーん。やっぱり間違った数字が報道されている。もしくは賞金総額なのか?日本の宝くじって1等、何人ぐらい出るんだっけ?それはとにかく、こちらの新聞報道では賞金とだけ書かれているので、総額か1等賞金かを知る術はない。もちろん写真の中の三億円の文字が読めるはずもないトルコ人達、この額が1等賞金と思い込んでのパニックである。総額にしたって、すごいのはすごいけれど。トルコのくじの方は正月特別とあって1枚6ミリオン(ただし、2分の1、4分の1というチケットもある。)1等賞金は3トリリオンリラ(約四億8千万円)。「日本に比べると見劣りがするのは否めないが」とトルコ宝くじ管理局も渋い顔で続ける。「しかしこのことが、私達の宝くじの売れ行きに、そう深刻な影響を与えるとは思わない。これも思い出していただこう、一つの国の宝くじが他の国で販売されると言うのは好ましいことではない。販売目的でくじのチケットを持ち込むことは、法によって禁じられている。」販売ではなく、プレゼントだったらいいのかな?今、トルコへ来る人がいるなら最も喜ばれるクリスマス・ラマザンバイラム・正月のプレゼントは、日本の宝くじなのかもしれない。夢、見ましょう。

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