あけましておめでとう。

公開日 : 2000年01月03日
最終更新 :

日本の週刊誌によると、トルコは<Y2K問題から、渡航を避けるべき国>とされていたらしい。

とにかくここは水事情が悪いから、皆とりあえず飲み水を買い込んだ。(私は我が家の水デポをチェックしただけで済ませてしまったが。)銀行の引き出しが停止したり、クレジットカードが使えなくなる可能性があるとのことで、現金を手元に置いておいたりもした。

在住日系企業でも1月1日から社員を出社させた会社は多かった。...何もなかった。喜ばしいことではあるが、会社から帰った旦那様方の多くはついこうもらしてしまったらしい。「物足りない...」。

トルコでも年末年始の旅行自粛は多かった。クリスマスを過ぎて、高級レストランの客が見に見えて減り、「やっぱり気が変ってどこかへ旅行に行っちゃったのね」と評する人は多かったようだが、私の机上のオンラインは飛行機ががらがらであることを数値によって示していた。

30日、31日出発においては投げ売りされたほどだ。1泊2日のヨーロッパ往復チケット100$はまだわかるとして、ニューヨークやロサンジェルス現地に1泊2日299$なんていうのは誰か利用客がいたのだろうか???ちょっと前までミレニアムルールなんていうものを作ってエクストラ料金稼ごうとしてたくせに、売れないとなると一転...この計画性の無い販売戦略はとてもトルコ的。

日本からの観光客もいないに等しく、ひさびさにゆっくりと過ごせた私は、今年は年越しそばにおせち、お雑煮まで食べた。トルコでは一般的に日本食は手に入らない。ないとなると、妙に恋しい。日本にいたらきっと和菓子を手作りすることもなかっただろう。三つ葉やしそを植えることもなかったに違いない。ここで伝統的日本食を手作りするにはそれなりの創意工夫が必要だし、材料調達など長期にわたる計画が必要であるから、ちょっとしたイベント性も生まれる。楽しかったし、おいしかった。

そして本日1月3日、仕事始めはカディルゲジェシ。ラマザン26日目、最も大事な日である。

私はイスラム教徒ではないので基本的に断食の義務はないが、これもトルコの文化だと思うので一応この日だけは、敬意を表する意味で(本当はイフタルのごちそう目当てに)断食する。

しかし、今年は暴飲暴食で胃が広がってしまった後。外は雪、室内の暖房は強く、乾燥して喉がからから。ついとなりでボスが飲んでるチャイに誘惑されそうになっている私に同僚のプナルが一言。「カディルゲジェシかあ。あ、カズミも今日は断食だよね。毎年、今日はやってるもんね」。

その一言が職場を感動の渦に巻き込む。トルコ人は苦楽を共にする、というのに弱い。「そうなのか、じゃあ今日のイフタルは一緒に食べようね」...そういう経緯で私はもてはやされて、今年は自主的ではなく半強制的断食に入った。ああ、余計なことを、プナル!あと、5時間もあるぅぅぅ。

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