現代アートの祭典「ホノルルビエンナーレ2017」開催中!各分野のプロフェッショナルが集結したウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」代表、猪子寿之さんにインタビュー

公開日 : 2017年04月28日
最終更新 :

ハワイで開催中の現代アートの祭典「ホノルルビエンナーレ2017」。3月8日(水)より5月8日(月)までワード・ヴィレッジの会場HUBを初め、IBMビルディングやホノルル・ミュージアム、ビショップ・ミュージアムなどの9つの展示会場にて催されています。

「ホノルルビエンナーレ2017」は、森美術館館長であり美術評論家でもある南條史生氏の指揮のもとに2017年春に発足。

太平洋地域を繋ぐハワイで、ダイナミックなコンテンポラリーアートを通じ、芸術や文化、アイディアや美学のグローバルな交流を提供することを目的とした催しとなっています。

日本からは草間彌生氏や、世界が注目するウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」がデジタルアート作品「Graffiti Nature」を引っさげてハワイに上陸!現地の話題を集めています。

こちらがメイン会場Ward Village®のHUBの様子。もともとスポーツ・オーソリティがあった場所の跡地です。生まれ変わった姿になりました。

今回のビエンナーレ参加アーティストは、ハワイ、オーストラリア、ニュージーランドを含む太平洋諸島やアジア、北米出身者などで構成されており、有名アーティストから新人アーティストの作品まで楽しむことができます。

さて、こちらのメイン会場HUBの目玉というべきエキシビション。それこそが、チームラボの「Graffiti Nature」です。

チームラボとは、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、絵師、数学者、建築家、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、編集者など、デジタル社会の様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート、サイエンス、テクノロジー、クリエイティビティの境界を越えて、集団的創造をコンセプトに活動されています。

今回の展示作品、インタラクティブ型作品「Graffiti Nature」 は、床に投影された映像の中に参加者が描いた絵をスキャンしたものがアニメーションとして動き映し出されるというもの。

取材ではチームラボの「カタリスト」谷口仁子さんに特別にご案内いただき、詳しくお話を伺うと共に、作品の楽しみ方を教えていただきました。

「この作品は、皆さんが描いた 様々な生きものたちによって 創られる自然の世界です。 空間の中では実際の自然界のように 食物連鎖があります。 生き物たちはそれぞれ頭脳をもっていて、 敵からは逃げ、捕食対象に対しては 追いかけもします。

 生きものたちは、 他の生きものを食べたり、 食べられたりしながら、 共に同じ1つの生態系をつくっていき 見え方はその時々によって変わります。

© teamLab  自分が描いて生まれた生きものを探したり、 花を咲かせたりしながら、 作品の一部に参加してもらい、 自分だけで楽しむより、 みんなで楽しむとより楽しい!ということを 感じていただけたらと思います。」

ふむふむ!お話を聞くからに面白そう!それでは実際に体験してみましょう!

まずは入り口に置かれた動物5種類、お花4種類の輪郭が描かれた紙の中から好きなものを選びます。

次に、思い思いに色を塗り、模様を描いてゆきます。心ゆくまで色付けをしたら、さぁ、渾身の作品を握りしめて、黒幕をくぐり、中へ!

一歩足を踏み入れると、瞬きをするのが惜しいほど美しい色彩の海が広がっていました。 オスとメスのクジラが二頭、悠然と泳いでいます。

© teamLab人が立ち止まると、そこからまわりに花が咲き始めます。逆に、踏んで歩き回ると散ってしまいます。また、空間を羽ばたく蝶は、花がある場所で増えてゆきます。

動物に近づくと、動物はこちらに気づいて、動き出し、本当に命が宿っているよう。生きものたちは他の生きものに食べられたり、他の生きものを食べれなかったりすると死んでいなくなってしまうそうです

さぁ、ここで先ほど入り口で用意しておいたスイムウェア姿のカエル君の絵の出番です。実際に自分の作品も、空間に参加させていきましょう。

このようにスキャンをすると。。。

およそ5秒ほどで、壁から3Dのアニメーションとなって現れ、あっという間に生き生きと空間の中へ飛び出して行きました。ついつい、童心にかえり、自分のカエルがどこへ行ったか追いかけたり食べられないかハラハラしたり。もっといろいろスキャンしたくなってしまいます。

「Graffiti Nature」 は、

グラフィック・デザイナー、絵師、

スキャン・CG・センサーなどのスペシャリスト、

そして食物連鎖のアルゴリズム担当のエンジニアなど、まさに技術とアートのプロフェッショナルたちが力を合わせ、集団の強みによりできた作品ですね。

そんな素晴らしいチームワークで、世界がときめく作品を次々と生み出しているチームラボ。代表の猪子寿之さんにもお話を伺うことができました。その作品に込められた想いとは。

「ここはいろんな人が描いた絵で 出来ていく世界です。

 人がじっとしていると花が咲き、 蝶は花の所に行くと増えていく。 カエルは蝶を食べると増えますが、 カエルはトカゲに食べられてしまいます。

 その様子を、見るだけではなく 参加することで、 『自分の創ったものが全体の一部となり、 みんなで世界を作っていく』という空気を 感じてもらえればと思います。 共同的で創造的、我々が『共創』と呼ぶ 体験です。

 普段、普通に暮らしていると、 世界はまるで、与えられた世界を 受け取っているだけのように 思ってしまいがちですが、 本当は、世界は皆がちょっとずつ創造して 作っている。 この作品を通じて、大人でも子供でも 他者と一緒に何かを作る 創造の喜びを知ったり、 生命が連続して成り立っていることを 体感したり、あるいは 単純に自分が、皆が書いたものが 実際に動く、ということを 楽しんでもらえたらと思います。」

猪子さんのお話の通り、幻想的な体験を楽しめるだけでなく、生態系や創造する喜びを学んだり、他の人と同じ世界を創っていく体験のできる素晴らしいアート作品でした!

大人も子供も楽しめるチームラボさんの作品。そして、アートの祭典「ホノルル・ビエンナーレ2017」。旅行者の皆様も、ハワイ在住の方々もどうぞお見逃しなく!

ホノルル・ビエンナーレ2017(Honolulu Biennial 2017)会期: 2017年3月8日(水)〜5月8日(月) 会場: The Hub(ワードビレッジ内)(333 Ward Ave, Honolulu, HI 96814)ほか時間: 12:00 - 19:00休館日: 水曜日入場料: $10(ハワイ居住者:$7、65歳以上、大学生:$5、18歳以下無料)

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