香港故宮文化博物館を一足先に紹介

公開日 : 2022年06月24日
最終更新 :
筆者 : 武田信晃

「西九文化区(West Kowloon Cultural District / WKCD)」は、九龍駅(Kowloon Station)、高速鉄道の西九龍駅(West Kowloon Station)、柯士甸駅(Austin Station)にかけての南側にある約40ヘクタールの土地にある総合芸術のエリアです。小型のアートイベントを行う「M+展亭(M+ Pavilion)」や2019年に開館した広東オペラを中心とした大型劇場の「戲曲中心(Xiqu Centre)」、現代アートのハブとなる「M+」などがすでに完成していますが、2022年7月2日に「香港故宮文化博物館(Hong Kong Palace Museum / HKPM)がオープンします。このほどメディアに公開されたので、一足先に内部の様子を紹介したいと思います。

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北京にある故宮博物院は紫禁城を博物館として利用していますが、その「香港支店」的な形でオープンするのがHKPMです。北京から一定期間、香港の方に展示物を貸し出しするもので、北京に行かなくても重要な芸術作品を香港で見られるということになります。北京には約186万件の収蔵品がありますが、今回のオープンでは、914点が展示され、そのうち国家第1級の文物が166件あります。青銅器、漆器、首飾り、書物など25のカテゴリーに分類できます。展示期間は数カ月から1年以上などさまざまですが、期限が来ると別なものとローテーションする形で新たなものが展示される仕組みです。

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建物ですが、7フロア、敷地面積は1万3000平方メートル、延べ床面積は3万平方メートルで、展示エリアは7800平方メートル、全部で9のギャラリーがあります。ギャラリー1~5は歴史、文化などが中心で、ギャラリー6と7は香港にある中国芸術のコレクションがあります。特にギャラリー6は香港の芸術コレクターから寄贈された貴重な芸術品が展示されていて、ここだけは北京とのローテーションではなく、ほぼ常設展と思っていいでしょう。ギャラリー8と9は特別展覧のところで、海外の博物館から貸し出されたものも展示されています。オープンにあたり、パリのルーブル美術館から13点の品をここで見ることができます。

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6代皇帝、乾隆帝が着たローブと靴

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明朝時代の家具

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宋の時代に描かれた絵巻

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ルーブル美術館から借り受けているルイ14世の像

博物館はそれなりの大きさがありますが、それよりも展示物の質にこだわっている印象です。中国の歴史が好きな人には、展示物の前で足を思わず止めてしまうことでしょう。

★香港故宮文化博物館(Hong Kong Palace Museum / HKPM)

所在地:West Kowloon Cultural District, 8 Museum Drive, Kowloon, Hong Kong

電話番号:2200 0217

入場料:標準(ギャラリー1~7)は大人50香港ドル、特別展覧込み(ギャラリー1~9)は120香港ドル。なお、オープンから3カ月間はネットでの販売のみで、1人最大4枚まで。

営業時間:10時~18時(月、水、木、日)、10時~20時(金、土)。火曜定休 

筆者

香港特派員

武田信晃

新聞社や香港現地邦人紙の記者/編集者を経て、フリーランス・ライターとして活動中。スポーツ、グルメ、エンタメまで幅広くカバーしている。

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