オミクロン株で医療ひっ迫。新型コロナで初めて厳しい状況に置かれた香港
香港政府は2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の経験を活かし、世界で最も厳しい水際対策と防疫対策でアルファ株やデルタ株の市中感染をほぼ抑え込んできました。しかし、感染力が強いオミクロン株の感染拡大に苦しんでいます。(写真提供:香港政府新聞処)
2月9日に新規感染者が1161人と初めて4桁に達すると、2月16日に4285人、翌2月17日には6116人に急増しています。これまでうまく新型コロナを抑え込んできたことから、公立病院におけるコロナ専用病床の確保を十分にしてこなかったこともあり、現在は病床が全く足りておらず一部の病院では屋外の駐車場にベッドを置いて診察するといった状況に陥っています。その結果、入院患者を重症者などに限定し、無症状の人や軽症者については自宅待機となっています。
前回の記事では公衆の集まりは最大で2人、2世帯以上がプライベートな空間で集まることも禁止、公共の場や公共交通機関でのマスク着用義務、飲食店の18時以降の店内飲食禁止などを紹介してきましたが、さらに全ての学校においての対面授業の再開を3月6日まで延期、コロナ軽症者専用タクシーの運用が開始されました。これは病床のひっ迫で入院待機中の人のためのタクシーです。香港の医療能力を超えたとして中国本土から専門の医師団も到着したほか、中国本土の建設会社が隔離施設の増築を開始しました。
欧米はオミクロン株はピークアウトすると一気に感染者が減りました。日本はピークアウトを過ぎたとみられますが、減少のスピードは欧米よりも緩やかです。香港はどちらに行くのか状況を見ていく必要がありそうです。
筆者
香港特派員
武田信晃
新聞社や香港現地邦人紙の記者/編集者を経て、フリーランス・ライターとして活動中。スポーツ、グルメ、エンタメまで幅広くカバーしている。
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