渡航解禁の第1ステップ、「トラベルバブル」

公開日 : 2020年09月15日
最終更新 :
筆者 : 武田信晃

最近、新聞紙上などに「トラベルバブル」という言葉が出てくるようになりましたが、香港政府は2020年9月8日に日本政府を含めた11ヵ国とトラベルバブルの協議をしていることを明らかにしました。

トラベルバブルとは、「ウィズコロナ」や「アフターコロナ」の世界のなかで経済的に結びつきの強い国・地域同士が決めた条件の下で相互間協定を結んで、自由な往来をしようというものです。政府同士で渡航解禁の条件を話し合うことになります。この言葉の由来は、新型肺炎の流行で非接触の世界となりましたが必要最低限の接触は避けられないケースがあります。例えば、家族だけに制限することを「ファミリーバブル(Family Bubble)」、社会であれば「ソーシャルバブル(Social Bubble)」などと呼びます。ひとつの大きな「泡」の中に入って自由に活動しようという考えです。先日、大坂なおみ選手が全米オープンを制しましたが、大会主催者が作った"バブル"にしかいられませんでした。全米オープンのバブルも同じコンセプトで、ウイルス感染予防のため、規定された場所において関係者以外立ち入れず、規定された場所にいる人は、そこから出ることのできないという閉じられた環境のことです。目的に応じた隔離施設・エリアと言えばわかりやすいかもしれません。東京五輪も状況によっては"バブル"がつくられるかもしれません。これらの考えを旅行に拡大させたのが「トラベルバブル」です。

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成田空港の様子。"鎖国"で駐機場に止まっている飛行機がいっぱい

これは国によって感染対策が変わってくるので、交渉をまとめるのは一筋縄ではいかないかもしれません。渡航者は出発前に検査結果の証明を所持しているかどうか、陰性の結果は何日前から有効なのか、到着後も空港などで再び検査が必要になるのか、ビジネスマンのみを対象にするのか、観光客を含めるのか......などです。

いずれにしろ、世界中が事実上の「鎖国」を行っているので、香港政府と日本政府のトラベルバブルに向けた話し合いは前向きなニュースです。今後の交渉の進展具合に期待したいところです。 

筆者

香港特派員

武田信晃

新聞社や香港現地邦人紙の記者/編集者を経て、フリーランス・ライターとして活動中。スポーツ、グルメ、エンタメまで幅広くカバーしている。

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