香港の映画賞で3冠に輝いた『誰がための日々』が日本で公開中

公開日 : 2019年03月11日
最終更新 :
筆者 : 武田信晃

2017年、香港のアカデミー賞にあたる「香港電影金像奨(Hong Kong Movie Awards)」で8部門にノミネートされ、最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀新人監督賞の3部門を制した『誰がたための日々』(一念無明 / Mad World)が3月15日まで東京のK's cinemaで公開中。この後、順次、全国で上映されることになっています。(写真提供:スノーフレイク)

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エリートだったトン(余文楽 / ショーン・ユー)が母親の世話のため会社を辞め、介護していたが、事故が起こり母は死亡。トンはショックから鬱になってしまい精神病院に。1年後、症状が安定し退院するが、これまであまり家にいなかった父親のホイ(曾志偉 / エリック・ツァン)と共同生活が始まる...。

時代は香港がイギリスから中国に返還される1997年ごろです。香港の将来どのようになっていくのか誰もが確信を持てないという雰囲気がありました。病院のベッド数の問題、中国本土の人による居住権の話など、今でも香港が抱える問題などが映しだされているほか、子どもの勉強の話、広東語を話すインド人(香港生まれのインド系香港人はたくさんいます)など香港社会を巧みに描いています。もちろん、普段の街並みや景色なども出てくるので、香港を映画を通して感じることもできます。

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この映画の音楽を担当したのが2011年から香港で音楽活動をしている波多野裕介という日本人。この作品と『七月與安生(Soul Mate)』の2作品で最優秀映画音楽スコア賞部門でノミネートされ、後者の方で受賞しています。筆者は彼にインタビューしたことがありまして、各映画のそれぞれのシーンを理解して、それに合わせた映画音楽を作る難しさなどを語ってもらったのですが、この映画でも彼がどんな音楽を作っているのかも感じながら観るとより面白いと思います。

今後は3月9日から大阪のシネ・ヌーヴォ、3月16日から京都シネマ、3月30日に川崎市アートセンターと宇都宮ヒカリ座で上映が開始されます。さらに、仙台、松本、名古屋、神戸、佐賀で公開が決まっています。

筆者

香港特派員

武田信晃

新聞社や香港現地邦人紙の記者/編集者を経て、フリーランス・ライターとして活動中。スポーツ、グルメ、エンタメまで幅広くカバーしている。

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