雨傘運動を記録したドキュメンタリー映画「乱世備忘-僕たちの雨傘革命」が7月14日から公開
2014年に行政長官選挙の普通選挙実施を求めることに端を発した「雨傘運動」。その後の香港社会に大きな影響を与えましたがそれを記録した「乱世備忘 僕たちの雨傘革命」(陳梓恒監督)が2018年7月14日からポレポレ東中野を皮切りに全国で順次公開されることが決まりました。(写真提供:太秦)
このページは香港のことについて書いていますから、香港の事柄については知っていると思いますので、雨傘運動の内容については割愛したいと思います。映画は、雨傘運動に参加したラッキー、レイチェル、フォンなど5人を中心に実際にどういった運動をしたのかを描いています。物資の補給、ローテーションを組んで寝る、デモの先頭にたって警察と対峙するなど、陳監督が5人に密着したからこそわかる運動の最前線のようすがわかります。
陳梓恒監督
この映画の特筆するべきところは、参加した5人の心の動きが丹念に描かれている点です。最初は大きなうねりに乗って参加していくのですが、長期化するにつれて(実際は79日間)運動に勢いがなくなっていく状況をみながら、志は高く持ちつつも、現実との葛藤が丹念に表現されています。「大同小異」という言葉がありますが、これは5人を含めた雨傘運動の参加者にぴったり当てはまります。目的は同じでも方法論などが違うという人たちが同じ運動をするということはどういう事なのか...という点も見どころです。
レイチェル
フォン
映画の公式サイト
https://amagasa2018.com/
我々日本人は普通選挙が「普通に与えられて」いますが、25年連続で経済自由度世界一の香港は普通選挙においては「普通に与えられていない」という、もう1つの現実を知っておくよい機会かと思います。
筆者
香港特派員
武田信晃
新聞社や香港現地邦人紙の記者/編集者を経て、フリーランス・ライターとして活動中。スポーツ、グルメ、エンタメまで幅広くカバーしている。
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