香港市民、テレビ局のライセンス発給で激怒
人口が1億を超える日本の無料テレビキー局は6局7チャンネルありますが、香港はTVB(無線電視)とATV(亜洲電視)2局がそれぞれ広東語と英語放送を放送する4チャンネルです。人口700万人ということを考えれば妥当なテレビ局数かもしれません。もちろん有料放送に加入すれば日本並みの充実したチャンネル数となります。
それはさておき、2局ありますが視聴率はTVBが実質75%位占めていると言われ、実質1局寡占状態といってもいいでしょう。香港政府は競争を促進させるため新しく3局を認可することを決めました。
結果、2社が認可を受けたのですが、試験放送でドラマまで製作するなど一番準備が進んでいると思われたHKTV(香港電視網絡)だけが落選しました。香港政府は具体的な落選を理由を述べておらず、かつ審議過程が不透明なことからこれに反発した香港市民が10月20日デモ行い、大勢の市民が参加しました。
トップの王維基氏は昔通信業界に価格破壊を起こすなどメディアの寵児として有名で、香港のテレビ局は中国の国営放送、中国中央電視台(CCTV)のようになってはいけないなど、言論・報道の自由に関する発言をしていました。香港政府は免許交付に関し中央政府に配慮またはなんらかの圧力に屈したのではないかというのを香港市民は感じたわけです。
デモの人数は主催したHKTVの労働組合によると8万人、少なめに数を発表する警察で3万6000人。どちらにしても事前の予想を超えるデモ参加者だったので(フェイスブックでの呼びかけが功を奏したようです)、香港政府いや中国政府はまた悩みの種が1つ増えました。
筆者
香港特派員
武田信晃
新聞社や香港現地邦人紙の記者/編集者を経て、フリーランス・ライターとして活動中。スポーツ、グルメ、エンタメまで幅広くカバーしている。
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