リサイクルシステム
香港はゴミの分別収集がありません。街角のゴミ箱に燃えるゴミ、缶、プラスチックペットボトル専用のゴミ箱がありますが、市民生活の"意識"として浸透しているわけではありません。ゴミ処理問題も大きな社会問題となっています。
ちり紙交換車による新聞紙などの回収システムもない香港ですが、まちのあちらこちらに雑誌、ダンボールなどを引き受けてくれるところがあります。システムは簡単で、店の前に量りがあり、そこに載せるだけ。重さに応じて換金してくれます。店にもよりますが、買取価格はだいだい雑誌・新聞でキロ当たり80 セント、ダンボールで70セントとなっています。また空き缶も1缶10セントで引き取ってくれます。ちなみに写真の一番下は私が運び込んだものですが、3キロで2ドル10セント換金されました。
ここには様々な人が訪れますが、老人が多いのです。香港の年金システムはまだ確立して10年ちょっとと歴史がないので、高齢者の人は若かりしころの貯金を取り崩すか、子どもの世話で老後を生活してきました。ですが、貯金が少なかったり、子どもに恵まれない人もいます。そうした老人はダンボールなどをかき集めてちょっとした生活費の足しにするのです。
サバイバルな香港の現実でもあり、一方ですぐ現金化できるシステムもあります。老人が路頭に迷うのをできるだけ防ぐという意味、かつリサイクルを推進するという意味では、この業者は存在意義があろうかと思います。
筆者
香港特派員
武田信晃
新聞社や香港現地邦人紙の記者/編集者を経て、フリーランス・ライターとして活動中。スポーツ、グルメ、エンタメまで幅広くカバーしている。
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