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オバマ元米国大統領も訪問したことで知られる人気寺院「福海寺」

カテゴリー:見所・観光・定番スポット 投稿日:2020年7月26日

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新型コロナウイルスが猛威をふるっておりますが、事態が収束したら訪れてほしいおすすめのホーチミン市の観光スポットを紹介します。今回、私が紹介するのは福海寺(Chùa Phước Hải)です。1892年から1904年にかけて建てられた寺院で、2016年にはオバマ元米国大統領がベトナム滞在中に訪問したことでも注目を集めました。


■福海寺(ChùaPhước Hải)の基本情報
福海寺(ChùaPhước Hải)はもともと、玉皇殿(Ngọc Hoàng diễn)という道教寺院だったことから、Chùa Ngọc Hoàngと呼ばれてきました。寺院の名称が現在の福海寺(Chùa Phước Hải)に変更したのは1984年です。寺院が、1981年に発足したベトナム共産党公認の全国仏教組織であるベトナム仏教会に組み入れられた際に名称が変更されたのです。ただし、地元の人々からはChùa Ngọc Hoàngと呼ばれるほうが多いようです。タクシーで行かれる場合、運転手にはChùa Ngọc Hoàngと言ったほうが伝わりやすいでしょう。住所はホーチミン市の中心街1区の北西部です。敷地面積が2300平方メートルと福海寺は決して大きな寺院ではありませんが、子宝を授かりやすいご利益があるということで現地ではとても人気のある寺院です。もともとサイゴン(ホーチミン市の旧名)の広東系華僑のコミュニティによって建てられた寺院ですので、仏教の仏様と道教の神様がともに祀られています。

■福海寺(Chùa Phước Hải)
・住所: 73 Đường Mai Thị Lựu, Đa Kao, Quận 1, Hồ Chí Minh
・営業時間: 7:00~18:00(毎月1日と15日のみ7:00~15:00
・入場料: 無料


■緑あふれる福海寺の境内を歩く
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六色仏旗とベトナム国旗がたなびくこじんまりとした正門をくぐり敷地内に入ると、寺院の敷地全体を覆うように頭上を樹木が生い茂っています。そのおかげで日中でも比較的涼しく、都心のオアシスといった雰囲気が感じられます。正門から前方奥に見える本殿に向かう1本道を十数メートル歩くと、珊瑚朱色(朱色がかったピンク色)のモニュメントが建っています。このモニュメントに限らず、門や本殿にいたるまで珊瑚朱色で統一されているのが福海寺の特徴です。「福海寺」という名称から想像すると、仏教における七宝のひとつである珊瑚にちなんで珊瑚朱色を取り入れたのでしょうか。なお、上述のモニュメントには金色の大きな字で「阿彌陀佛」と刻まれています。これは大乗仏教の如来のひとつ、阿弥陀如来のことですね。ベトナムがインドシナ諸国(ほかはラオスとカンボジア、タイ、ミャンマー)のなかで、唯一中国経由で大乗仏教が根づいた国であることを再確認できます。

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モニュメントを通り過ぎると、前方に大きな正方形の堀が現れました。堀の中を覗き込むと、数十匹の鯉が気持ちよさそうに泳いでいます。よほどいい餌を与えられているのかどの鯉も丸々と太っています。堀の向こうはいよいよ本殿の敷地です。

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■道教の神々の荘厳な迫力に圧倒される玉皇殿
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本殿の手前には中国風の大きな香炉が置かれており、参拝者は本殿に入る前にまずこの香炉に線香を立て、身・口・意を清めます。なお本殿に向かって右手には池があり、ここには亀が数十匹住んでいます。

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それでは靴を脱いで福海寺の本殿である2階建ての玉皇殿(Ngọc Hoàng diễn)に入ります。撮影ができるのは残念ながらここまでです。現在、福海寺では本殿内の撮影は禁止となっているのです。玄関より中に入ると、まず参拝客が願いごとを書くための机と、線香や数珠などが売られている受付があります。受付を通り過ぎ奥に進むと、仏教の諸々の如来様を祀る祭壇が置かれた小さなスペースがあります。そこでお祈りをしてさらに奥に移動すると、いよいよ玉皇殿の本尊である玉皇(ぎょっこう)が祀られるご本堂です。玉皇は東南アジアの華僑の間で道教における最高神として崇められています。ご本堂では、玉皇を祀る玉皇宮を中央に、左に玉虚宮、右に水月宮が配置されています。その3宮をお守りするように数十体のものすごい形相をした甲冑姿の守護神像が並び建っています。大きいものでは4mほどの高さの像群は薄明かりの中で見上げると荘厳な迫力を放っています。祭壇・香炉を挟んで手前の床には絨毯が敷かれており、参拝客は床に膝をつき、火のついた長い線香を両手で持ちながら、複数回お辞儀をするように首を垂れるベトナム式の方法で熱心に祈りを捧げていました。また、玉皇殿の1階の別の部屋には金花殿、2階には観音殿と呼ばれる部屋があり、熱心な参拝者はこれらすべての部屋を順に巡って時間をかけて祈りを捧げるそうです。

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■観光スポットとしての福海寺の醍醐味
撮影禁止のため、福海寺の一番の見所である玉皇殿内部の写真をお見せできないのは、甚だ残念です。もともと、20世紀初頭に広東出身の華僑によって道教寺院として建てられた玉皇殿は時を経て仏教に包摂され、道教と仏教が混交して信仰される現在の福海寺になりました。実は、道教と仏教が共存する福海寺のような寺院はベトナムでは珍しくありません。オバマ元米国大統領がベトナム訪問時に立ち寄ったとあって、当初私は福海寺をいわゆる観光客向けの寺院だと思っていたので、一見派手さのない外観に拍子抜けしました。華やかな観光スポットを期待して訪問すると確かに少し期待はずれかもしれません。しかし、そこだけで判断するのはいささか尚早です。むしろ観光スポットとしての福海寺の醍醐味は、玉皇殿内部の厳粛で張り詰めた空気と、神仏に真剣に祈りを捧げるローカルの参拝者とで醸成された圧倒的な信仰空間を体験することだと考えます。神社仏閣好きの読者の方はぜひ一度行ってみてください。

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稲葉 伊巧斗

ベトナム・ホーチミン特派員の稲葉 伊巧斗が現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

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名前:稲葉 伊巧斗

稲葉 伊巧斗

ルポライター近藤紘一さんのベトナム関連の著作に影響を受け、ベトナム移住を思い立つ。2012年~2014年まで日本語教師としてハノイとホーチミンに赴任。帰国後、大学院修士課程、専門学校勤務を経て、2020年再びベトナムに移住。現在ホーチミン市内の大学にて講師として働きながら、ベトナム人の奥さんとともに子育てに追われる毎日を送っている。主にホーチミン市を中心にベトナム南部の魅力を歴史的背景もふまえて発信していきたい。 DISQUS ID @disqus_nKzpgmpqcx

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