最近気になったベトナムのタクシー事情

公開日 : 2017年11月30日
最終更新 :

日頃タクシーを多く使う生活で、最近気になったハノイのタクシーについてお伝えします。

比較的治安が安全と言われているハノイ。市内の交通は鉄道、地下鉄が発達していないため、観光の移動手段にはタクシーが便利で、多くの人が日常的に利用しています。しかし今回、些細でしたがトラブルに遭遇し、改めて昨今のタクシー事情について考えさせられるものがありました。

メーターが最後に変わった?

先日、最大手で知られる会社のタクシーに乗っていた時のことです。いつも通り行き先を文字で見せ、口頭でも確認し、何事もなく目的地到着寸前にメーターを確認すると、表示料金が5万5千ドンほど。6万ドンでおつりが来るだろうとお金を用意すると、車が止まった瞬間にメーターがグルグルっと回ったような気がして、目を凝らしてみると7万ドンを超える金額が提示されていました。近距離移動でしたし、追加料金を乗せられるサービスも受けておらず、まったく何が起こったのか理解できませんでした。

メーターがおかしいと指して尋ねたものの無視され、多少メーターが進んだとしても「6万ドンで十分なはず」と主張し支払って降りようとしたら腕を掴まれ、表示額全額払うまで離してもらえませんでした。トラブルの悪化は避けたく、疑惑の差額が20000ドン(約100円)程度の、なんとも微妙な金額だったのでやむなく支払いました。

これまで高額の不正請求は犯罪例として聞いていますが、これは少額です。タクシーを降りた後も車体を確認し、念のため写真も撮りましたが、大手の正規タクシーで間違いありません。これまで回数多くタクシーを利用する中で、このようなことは初めてで、手を掴まれ怒鳴られたのは、少額とはいえそれなりにショックを受けました。

思い返すと悪い予感があった乗車時のこと

思い返せば乗る時におかしいと感じる部分がありました。いつもステイ先からの出発時は、ドアマンがタクシーを呼んでくれます。しかしその日は良いタクシーが捕まらないようで時間がかかっていました。なのに目に見える近距離のところにそのタクシーは長時間駐車しており、なぜそのタクシーをドアマンがを呼ばないのかが謎でした。

時間に焦り、「あのタクシーじゃダメなの?」そう言って呼んでもらい、乗ってしまったことが災いだったと思います。そのドライバーは乗車時に挨拶、返事をしない、ニコリともしないまま発進。「何か嫌だ」と思いながらも、回り道をするなど不適切な様子がなかったので乗り続けて、最後にこのようなことが起りました。ドアマンは何かしら、そういった"おすすめできない"ドライバーの性格や態度を遠くから見てわかっていたのかもしれません。プロの判断にゆだねるべきでした。

昨今のタクシー業界と配車アプリサービスの事情

ローカルの知人にこの日の体験を話すと、最近話題の配車アプリサービス・Uberのホーチミン、ハノイでの利用者数が増大しタクシー業界を圧迫、売上が激減、大幅な人員解雇など打撃を受けて不況となり、大手タクシーの経営が難しい時代に入ったという話題に。現在Uberの事業拡大は、タクシー組合がベトナムでの規制などを訴えており、ダナンでは市の交通運輸局がこれら配車のアプリサービス停止を求めているようですが、最新情報では、11月14日よりチャーター配車アプリ「GrabCar」がダナンでも公認となり、サービスが開始されたとのことです。

実際、様々言われるベトナムでのタクシートラブルの不安を考えると、それらを解消できるUberなどに人気が流れるのは自然だと思います。しかし、現地タクシーが不況となればドライバーの質が下がる事、治安の悪化が心配です。今回の件が、タクシー業界の不況に関係しているとは言えませんが、有名グループを利用してでの出来事だったので、様子を見続けなければと思います。

ローカルに聞いた深刻な被害時の対処法

桁違いの違法請求など、深刻な被害があった場合は対処法があるとローカルの知人から聞きました。

以下、簡単にまとめましたのでご参考にしてください。

1.その場で執拗に争わない事(暴力を振るわれることがあります)

2.ドライバーのIDを記録

(ダッシュボード、メーター付近にあります。ない場合は無許可のドライバーの可能性があるので乗らない事)

3.降りたら車体と車両ナンバーを写メやカメラで記録

4.車体に書かれたタクシー会社の電話番号を控え「通報」を

乗る際は、通報先が確実に存在する大手タクシー会社を選ぶのが重要とのことでした。過去に不正請求分の代金が返金され、ドライバーには罰金、解雇の処分が下された実例があります。

今回のトラブルが偽装ドライバーによるものか、正規ドライバーの違反か、私の勘違いだったのか、あまりに一瞬の出来事で事実は未だわかりませんが、油断せず、焦らず乗る事で避けられたことを改めて反省した出来事でした。

トップ写真のノイバイタクシーは、ハノイ・ノイバイ空港エリアを走る有名タクシーグループです。空港から市内への移動は、車体に会社名、会社電話番号が(はがせるマグネットシールなどを貼り付けたものは要注意!)ペイントで明記された大手グループのタクシーをお選びください。車体の新しさ、整備が行き届いている様子、ドライバーの制服など、きちんとした印象があるかどうかも大切だと思います。

レストランなどからはタクシーを呼んでもらうのが安全です。

安全に楽しい旅の時間をお過ごしくださいませ。

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ハノイのタクシー事情については当ブログこちらもご参考にどうぞ。

https://tokuhain.arukikata.co.jp/hanoi/2017/07/post_37.html

Photos & writing © Midori Nakagawa

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