ラフスケッチ Hanoi #8 宙に浮かぶ夕日。ハノイの夕日はどこに沈む
"太陽にほえろ!"みたいだね。
友人に写真を送るとこんな返事が返ってきました。
ハノイの夕日が、1970年代の日本の人気TVドラマに似ているとは、妙に的を得ている気がしました。都会なのに、どこか未開で哀愁が漂って。ハノイの街を上空から眺めると、高層ビルがずいぶん目立つようになったけれど、まだまだ素朴な風景です。
特に夕日が街を赤く染めるこの時間、
一日が終わろうとする時刻、
人々が最後にせわしく動き始める喧噪のハノイを眺めるのが好きです。
巨大クレーン、すき間にびっしりとならぶ家並み、
途切れることなくバイクが流れて行く大通り。
そこに遠く、湖や川がきらきらと光って見える魔法の時間です。
街が動き続けている、
街が育ち続けている、
小さなパワーが無数に集まって熱を持つ巨大な街。
人間のエネルギーを体中で感じます。
まさに私が生まれた60年代、70年代の日本を眺めているような街風景なのかもしれません。
しかし、ハノイの夕日は不思議です。
上空のある地点に、目に見えない境界線らしきものがあるようで、空に浮かんだまま消えて行きます。
まるで、空に見えないポケットがあるかのよう。
一帯どこに消えて行くのだろうと不思議に思います。
空気の悪さが原因でしょうか。
汚染され、風景がかすんで見えるハノイの空。
地上に近づくほどその濃度が高まり、
夕日を映す澄み切った空気がそこにないから?
などと考えてしまいます。
それでも空の条件が良い日は、
より低く街の中に沈んでいく夕日が見られるかもしれない。
いつか、
街の中に低く深く沈むハノイの夕暮れを見てみたい
いつもそう願っています。
西湖のほとり「鎮国時」の夕暮れ。
この日も夕日はここまでが限界。
ぽっかり空に浮かんだまま消えて無くなって行きました。
Photos & writing © Midori Nakagawa
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