お知らせ

公開日 : 2019年05月07日
最終更新 :
筆者 : 浅井まき

2018年より約1年間、ジェノバ特派員として活動させていただきましたが、このたび、大学院修了に伴い帰国することとなりましたので、地球の歩き方特派員としての活動を辞退させていただくことといたしました。

短い期間ではございましたが、ご購読いただきまことにありがとうございました。

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本記事が最終回となりますが、今回はイタリアの大学院事情について少しお話します。

イタリアの学校制度は小学校(5年)、中学校(4年)、普通高校(5年)、大学(3年)、大学院(2年)というのが一般的です。日本より1歳早く小学校が始まりますが、大学に入るのは日本より1年あとになります。

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(ジェノバの世界遺産「ロッリ制度の邸宅群」はとてもフォトジェニック!→詳細)

イタリアの大学のほとんどは国立大学であり、医学部、建築学校など人数制限のある学部を除けば入試はないのが普通です。日本ほど大学ごとのレベル差はないため、専攻したいコースがあれば地元の一番近い大学に通います。

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(スピアナータ・カステッレットからはジェノバの街が一望できる。インスタ映えスポットも→詳細)

試験は多くが口頭試問形式で行われます。学生はあらかじめ定められた試験日程の中から自分の受験したい日を選択し、決められた場所に集合します。教授はひとりずつ、または数人ごとに学生を前に呼び、20分程度の口頭試問を行います。順番待ちのため、試験はかなりの長丁場になることもしばしば。点数も即時大勢の前で告知されるため、なかなかのプレッシャーです。

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(カモッリ、サン・フルットゥオーゾは"小チンクエ・テッレ"として地元では有名→詳細)

卒業論文は学生それぞれが自分の研究テーマを定め、最も近い分野を専門とする教授を探して指導を仰ぎます。大学院では120ページ程度のボリュームが必須となります。

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(ポルトフィーノで優雅なひとときを→詳細)

論文が書けたら、卒業試験の日程を調整します。イタリアでは卒業式がなく、年に数回ある卒業試験期間に審査を受け、卒業していきます。

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(セストリ・レヴァンテのビーチはイタリアでも指折りの美しさ→詳細)

卒業試験では数名の教授陣の前で研究内容を発表したのち、質疑応答を行います。卒業式がないとはいえ人生の一大イベントなので、学生は家族や友人を招いて試験に臨みます。審査を経たのち、成績の告知と学位の授与を受けます。大学の成績は110点が満点ですが、「満点以上(110/110 e lode)」という評価が存在します。一般に100点以上であれば成績良好とみなされるようです。

試験をパスしたら家族や友人から花束と月桂冠がプレゼントされます。イタリア語で卒業はラウレア(laurea)であり、月桂冠を表す語と同じです。

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(世界遺産チンクエ・テッレ→詳細)

2015年の秋に渡伊したのち、紆余曲折ありましたが、私も無事修了をむかえ、友人たちに月桂冠を贈ってもらうことができました。ジェノバという素晴らしい街で学べたことを誇りに思います。

本記事をもって特派員としての活動は最後となりますが、少しでもジェノバの魅力をお伝えできていれば幸いです。

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(ジェノバの"宝石"、ボッカダッセ→詳細)

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