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大聖堂に犬の彫刻?ドゥオーモと司教区博物館

カテゴリー:見所・観光・定番スポット 投稿日:2018年11月25日

イタリアはどの街にも立派な"ドゥオーモ"と呼ばれる中心的な教会があります。ミラノやフィレンツェ、ヴェネツィアのものが特に有名でしょう。もちろん、ジェノバにもドゥオーモと呼ばれる最も重要な教会があります。今回はサン・ロレンツォ大聖堂と隣接する司教区博物館をご紹介します。
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ジェノバのドゥオーモ

イタリアでドゥオーモといえば大きな広場の中心に建つ市内で最も大きく立派な大聖堂、というのが普通です。ミラノやフィレンツェのドゥオーモはまさに街の中心に位置し、遠くからでも場所がわかる大きな建物です。ヴェネツィアのドゥオーモは内装外装ともにオリエントの影響を強く顕し、国際都市ヴェネツィアの顔とも言える見事な建築です。
ジェノバのドゥオーモはどうでしょう。リグーリア地方によく見られる白と黒の大理石の縞々模様の外観は特徴的で美しく、高くそびえる塔は市内の広い範囲から見つけることができます。古来から内部抗争の激しい街であり、また土地が非常に狭いという事情から「広場」とよばれるものは殆どなかったジェノバながら、この大聖堂の前には小ぶりな広場があります。
このサン・ロレンツォ大聖堂のあるエリアは中世以来ジェノバの政治的中心地でした。11世紀に建設が始まったこの大聖堂はほかならぬ十字軍による収益によって建設資金が賄われ、その後断続的な改修や増築を経て現在の姿となっています。



なぜか存在感の薄い、ジェノバの守護聖人

さて、ドゥオーモは「サン・ロレンツォ」大聖堂、つまりローマの聖ラウレンティウスという聖人に捧げられたものですが、ジェノバの守護聖人は聖ロレンツォでも、またジェノバの代名詞となるほど非常に存在感の強い聖ジョルジョ(ゲオルギウス)でもなく、「洗礼者聖ヨハネ」なのです。1096年の第一次十字軍に参加した際、近東から聖ヨハネの遺灰を持ち帰ったことからジェノバの守護聖人となりました。(聖マルコの遺体を半ば強引にアレクサンドリアから持ち去ったと言われるヴェネツィアと違い)一応"正規"の方法でもたらされたものであるし、聖ヨハネは海のさまざまな危険から船を守るとされることから港町ジェノバにとって非常に重要な聖人であるわけですが、なぜか今一つ存在感が薄いのが不思議な話です。肝心の聖遺物である遺灰はこのサン・ロレンツォ大聖堂の左側の祭壇に奉納されています。
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(内部は市内のバロック式の他の教会に比べると非常に質素で厳か)



どこかに「犬」が隠れている?

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(眠る犬の彫刻がどこかに隠れている)


この大聖堂の隠れスポットは正面のどこかに隠れた犬の彫刻です。伝説によれば、この彫刻は建設中に愛犬を亡くしてしまった中世の職人が悲しみのあまりこっそり彫ったものと言われています。今でもジェノバ人の犬好きは顕著で街中にはいつもたくさんの犬がいますが、その傾向は昔からのものだったよう。ぜひ探してみてくださいね。

サン・ロレンツォ大聖堂 Cattedrale di San Lorenzo
所在地:Piazza San Lorenzo, 16123 Genova
一般開放:8:00~12:00、15:00~19:00
礼拝:平日 8:30、18:00(水曜 8:45)
   土曜 18:00
   日曜 9:00~10:30、18:30
塔への入場料:€6.00



隠れ名所、司教区博物館

サン・ロレンツォ大聖堂の裏手にある路地を進むと、ひっそりと博物館の入口があります。司教区博物館は宗教関連の美術品やジェノバの工芸品などを収蔵する博物館です。
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小さな入口とは裏腹に、内部はかなり広いです。繊細な柱に囲まれた中庭を抜けて地下へ続く階段を降りると、古代の遺物などが展示された一室に入ります。1684年のフランスによる爆撃で使用された砲丸が展示されているのも興味深いところ。地元の工芸品のひとつである陶器も展示されています。
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(宗教絵画のコレクションも多数)


上階には宗教絵画や工芸品が展示されています。16~17世紀ごろのジェノバの名産品であったベルベットやダマスク織などの高級生地が多数展示されているのもみどころです。2階の回廊には鮮やかなフレスコ画が残っています。
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ブルー"ジーンズ"の空間

ここでの隠れスポットは階段の途中に入口のある小さな展示室です。「ジェノバの青」と題されたこの部屋には大青またはインディゴで染色された青色の麻生地に白で宗教画を描いたものが展示されています。つまりジーンズ生地であるわけですが、この「ジーンズ」という言葉は、実はジェノバに由来しています。元々はイギリスなどでジェノバから輸入される織物全般、とくにベルベットなどの高級絹織物を指す単語であった"Jean"ですが、近代に入ってジーンズ(デニム)生地を表す言葉として定着したそうです。
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この美しい青色の空間でほっと一息つくのもいかがでしょうか。

司教区博物館 Museo Diocesano
所在地:Via Tommaso Reggio, 20r, 16123 Genova
開館時間:月‐土 12:00~18:00
     日曜 14:00~18:00
     ※火曜休館
入場料:博物館のみ €8.00
    大聖堂宝物庫+博物館 €12.00
    「ジェノバの青」のみ €5.00

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浅井まき

イタリア・ジェノバ特派員の浅井まきが現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

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名前:浅井まき

浅井まき

大学卒業後、社会人を経て2015年渡伊。イタリア北部リグーリア州の港町ジェノヴァに住み始めてはや3年目。現在はジェノヴァ大学の大学院史学研究科に在籍。日本と大きく異なるイタリアでの大学院生生活に四苦八苦しつつ、17~18世紀のジェノヴァ共和国に関する研究を行っている。自分の専門以外にも西洋史全般、美術、現代音楽、グルメ、スポーツなどへの関心大。晴れた休日には近郊へ写真撮影に行くのが楽しみ。 DISQUS ID '@disqus_n3hiU5o4o9

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