華やかで幻想的な夜のスピノラ宮、美味しいワインも!
お盆休み、いかがお過ごしでしょうか。イタリアでもバカンスシーズンとあり、海の近いリグーリアでは一層の賑わいとなっています。
さて、前回の記事でスピノラ宮国立美術館についてご紹介しましたが、この時期限定で行われている金曜夜の特別イベントに参加してきましたので、改めてご紹介したいと思います。
(貴族気分を味わえる?)
"Estate Mitica"
Estate Mitica(神話的な夏)と題された同イベントはスピノラ宮国立美術館とその向かいにあるレストランLocanda Spinolaとのコラボレーションにより開催されています。7、8月の毎週金曜日の夕方に行われ、毎回異なる同美術館の所蔵品について専門の職員による解説がなされます。
今回参加したのは17世紀にボローニャを中心に活躍した画家グイド・レーニ(Guido Reni:1575-1642)の名作「聖愛と俗愛(Amor sacro e Amor profano)」をクローズアップした企画でした。
(左側の壁の上部にあるのがレーニ作品)
同じテーマの作品で有名なのはティツィアーノ(Tiziano Vecellio)のものですが、ティツィアーノ作品では2人の女性によって2つの異なる性質の愛を暗示しています。一方、レーニの作品ではエロスとアンテロスの兄弟が描かれています。向かって左側の少年が弟のアンテロスで聖愛を、右側の幼い子供の姿をしているエロスが俗愛をそれぞれ表現しているそうです。解説の中では、エロスとアンテロスの兄弟のモチーフの引用に関する歴史についても説明がありました。
アペリティーヴォ、美味しいワインと軽食に舌鼓!
さて、解説が終わって入り口に戻ると、いよいよ"アペリティーヴォ"(お酒を飲みながら軽食を食べること)です。
このイベントに協賛しているLocanda Spinolaというレストランは市内でも屈指の魚料理の名店。美味しい白ワインと共に自慢の料理が振る舞われました。
(イワシのフライや生牡蠣も!)
市内ではなかなかこのレベルのアペリティーヴォを10ユーロで楽しめるところはありませんから、美術館の入館チケットとセットで堪能できるこのイベント、実にお得なのです。
ロマンチックな夜の邸宅へ再度潜入!
さて、イベントはここで終了ですが、美味しいものを食べた後は時間の許す限り館内をもう一度巡るのもお勧めです。同じチケットで再度入館することができます。
9月末までの期間中は金曜日に限り夜22:30まで開館しているスピノラ宮国立美術館。普段はなかなか見られない邸宅の夜の姿を楽しむことができます。
昼間でも華やかで優雅な邸宅ですが、夜の顔はなんとも幻想的でロマンチック。きらびやかな装飾が夜のとばりによく映えます。
("鏡の廊下"もより美しく)
(最上階では陶器や織物類の展示も。ジェノバの絹織物は近世にはヨーロッパNo.1の高級品)
(涼しい風が吹き抜ける屋上のテラス)
同イベントは8月31日まで、毎週金曜日に開催されます(※8月17日を除く)。前日までに要予約なのでご注意ください。
"Estate Mitica a Palazzo Spinola"
8月31日まで、毎週金曜日18:00
参加料金:10ユーロ(入館料+アペリティーヴォ)
予約Tel:(+39)010-2705300
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