アイリッシュウィスキーの伝統と歴史を探しに

公開日 : 2009年03月11日
最終更新 :

 アイルランドのお酒・・・といえば、『ギネスビール』なのはほぼ“お約束”(?)ですが、もう一つの“お約束”なお酒は『アイリッシュウィスキー』ではないでしょうか。“ウィスキー”という言葉が、アイルランド語の<uisce beatha(ウィシュケ・バハ)> すなわち「命の水」という意味を表す……という話はつとに有名ですよね!

 さて、以前ご紹介したことのある『ギネスストアハウス』博物館では、ギネスビールが出来るまでの工程や歴史を見ることができましたが、同じようにアイリッシュウィスキーの蒸留所では、アイルランドのウィスキーの歴史や伝統を見ることができます。

 北アイルランドのブッシュミルズ(Bushmills)など、アイルランド国内にはいくつかウィスキーの蒸留所がありますが、今回は南部コークのミドルトン(Midleton)蒸留所について、お話しましょう。

Midleton%20dist.2.jpg

 ミドルトン蒸留所のあるコーク東部は、大麦が育つ肥沃な土壌と地下から湧き出る澄んだ水に恵まれた、まさにウィスキー作りに最適の場所なのだそうです。通常アイリッシュウィスキーは、アメリカのバーボンウィスキーやスコッチウィスキーに比べ作るのに手間がかかると言われるのですが、それはアメリカのウィスキーは蒸留が1度、スコッチでも蒸留が2 度なのに対し、アイリッシュウィスキーは蒸留過程が3度もあるからなのです。

 そういうわけで、どのようにアイリッシュウィスキーが世に出て行っているのかが分かるこの蒸留所、実は1975年に新しい蒸留施設が同敷地内に建設され、コンピューターで蒸留管理されるようになりました。そこで、それまで150年間稼働・引退した蒸留所を、記念館として一般公開しています。

 このミドルトンには「世界一」のものがあります。それは、3度の蒸留過程で使用される銅製蒸留器(ポットスチル)。このポットスチルは14万4千リットルの生産能力があり、世界一の大 きさを誇るのだとか。その横に鐘がついているのですが、これは2階にいる労働者が蒸留器に仕込みや温度調節をしている階下の同僚に、量や温度が適切かどうかを知らせるための合図するため。

Midleton%20Potstill.jpg

 その他にもこの鐘クン、とっても大事な役割がありました。

 なんでも見回りに来た上司の存在を周りの同僚に知らせる、秘密の合図もあったのだそうです。――それまではサボってた人もその“上司が来たゾ〜”の鐘の合図で、慌てて持ち場へ戻ったんでしょうかね(笑)。

 蒸留が終わって透明に なったウィスキーはオークの樽に入れられ、5年〜7年間熟成されます。その間にオークのタンニンという成分で、ウィスキーがだんだん琥珀色に染まってゆくのだそうです。

 蒸留所ツアーのラストには、ウィスキーの飲み比べもさせてもらえるので、「我こそは!」という方は是非挑戦してみてくださいね!

Midleton%20dist.%20tasting.jpg

■ミドルトン蒸留所(Old Midleton Distillery)■

・開館時間:冬期(11月〜3月)−月曜日〜土曜日のツアーのみ(11時半、13時、14時半、16時)/夏期(4月〜10月)−月曜日〜日曜日の10時〜17時まで。ツアーは要望に応じ、いつでも。

・入場料:おとな 12.50ユーロ、家族チケット(大人2名&18歳未満の子ども4名まで)25.00ユーロ、18歳以上学生(学生証提示)9.00ユーロ、60歳以上 9.00ユーロ、18歳未満こども 6.00ユーロ

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。