響灘をめぐる!~エネルギー・バスツアー(エコタウンセンター編)

公開日 : 2020年02月02日
最終更新 :
筆者 : Duke

こんにちは。「地球の歩き方」福岡特派員のDukeです。先日、北九州市エコタウンセンターが主催する「若松響灘を巡る! エネルギーバスツアー」に参加してきましたので、ツアーの概要や北九州市エコタウンについて、「エコタウンセンター編」と「エネルギー編」の2回に分けて紹介します。

エコタウンとは、ある産業から出るすべての廃棄物を新たにほかの分野の原料として活用し、最終的にあらゆる廃棄物をゼロにすることを目指すゼロ・エミッション構想を基軸に、先進的な環境調和型、資源循環型のまちづくりを推進する事業です。1997年(平成9年)にエコタウン構想第1号として国の認可を受けた北九州市は、工業都市として長年培った産業基盤や技術力、公害克服の経験やノウハウなどを活かして、環境保全と産業振興を統合した独自の地域政策を推進しています。

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エコタウンセンターには、リサイクルや循環型社会などを学ぶ「北九州エコタウン」と、さまざまなエネルギーについて学ぶ「次世代エネルギーパーク」があり、センター自体の見学・研修に対応するほか、エコタウン内の各種企業や施設などの見学の受付や施設見学ツアーの催行を行うなど、エコタウンの玄関口としての役割を担っており、年間10万人(うち25%は海外からの研修者)が訪れます。

写真に写っているのは、北九州市の環境マスコットキャラクター「ていたん」。地球温暖化により北極に住む場所をなくした白クマという設定で、「ていたん」の名は温暖化防止のキーワード「低炭素(ていたんそ)」からとっています。鼻と口で表す「エコ」、北九州市の花 ひまわりのバンダナがアピールポイントです。

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こちらはエコタウンの展示コーナー。各種リサイクル関連の実証研究や事業の概要が紹介されています。

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リサイクルの過程で、フレークやポリエステル繊維、ペレットなどに加工されるペットボトル。1本のペットボトルから、卵パックで4個、ボールペンなら6本を作ることができるそうです。

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ペットボトルから作られる製品の数々。北九州市では、保育園の黄色い帽子がペットボトルを原料に作られていたんですね。全然知りませんでした。

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こちらは、エコタウンセンターの向かいにある、別館「次世代エネルギーパーク(研修施設)」の展示コーナー。

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別館は、暮らしを支えるエネルギーについて、わかりやすく楽しく学ぶための研修施設です。

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今回のツアーは「エネルギー」だったので、地球温暖化の影響やエコタウン内で事業化されている次世代エネルギーについて全般的な説明がありました。

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太陽光を利用した調理の実験装置。この日は曇りだったので鍋のお湯が温まる程度でしたが、晴れた日なら1時間強で、本格的なカレーを調理できるそうです(実験の様子をDVDで視聴しました)。

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続いて、エコタウン内をバスで巡り、バイオマスや風力、太陽光発電システムを研修しましたが、それらエネルギー関連施設は次の「エネルギー編」に譲ることにし、今回は車窓から見たエコタウンに集積するエコ関連施設(リサイクル事業)を紹介します。

OA機器のリサイクルを行うリサイクルテック。従来埋立処分されていたOA機器を引取り、材質・材料ごとに分解選別を行い、新たな機器等の部品や材料として提供することで99%以上の再資源化を達成しています。

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こちらは、ゲーム機や遊具などのリサイクル工場。エコタウンのリサイクル事業の特徴は人間の目や手による選別分解作業で、コスト的には不利なのですが、精度の高い再資源化には欠かせない要件だそうです。

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飲用済みのスチール缶、アルミ缶から不純物を完全に除去し、スチール及びアルミペレットを生産するKARS(旧社名:北九州空き缶リサイクルステーション)。写真右側にずらっと並んでいるのが空き缶をプレスした塊です。

スチールペレットは高炉メーカーの冷却材として、アルミペレットは高炉メーカーの脱酸材やアルミ合金メーカーの主原料として再利用されます。

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これは駐車場ではありません。廃棄され解体を待つ自動車のリサイクル工場なんです。解体に先立って、各車両の車名、エンジンの形式、走行距離、事故の状況などを確認し、すべて手作業で使用可能なパーツを取り除きます。ボディだけになった車はスクラップカープレス機で一辺約60cmのキューブに圧縮され、鉄鋼原料として国内のみならず、海外にも輸出されています。

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使用済みの蛍光管や乾電池のリサイクルを行なうジェイ・リライツ。古い蛍光管を分別・破砕した後、ガラス、金属、水銀等に分けて再資源化するとともに、再生原料を使用した蛍光管を製造しています。

このほかにもエコタウン内でリサイクル事業を営む企業は多く、北九州市エコタウンセンターHPで確認すると、現時点で22社(このほかリユース事業1社)あります。

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2008年(平成20年)に環境モデル都市、2011年(平成23年)に環境未来都市に選定された北九州市は、温室効果ガス排出の大幅な削減など低炭素社会の実現に向け、高い目標を掲げて先駆的な取組を行っています。響灘に面した埋立地、若松区向洋町に展開するエコタウン事業は、「エコ(リサイクル・リユース)」と「エネルギー」に区分され、それぞれ(狭義の)エコタウン、次世代エネルギーパークという位置づけです。

いずれの企業・施設もエコタウンセンターを窓口として見学可能で、エコタウンセンターHPを通じて申込みできますので、詳細はそちらをご確認ください。また、今回私が参加した次世代エネルギーパークを研修する「エネルギーバスツアー」、(狭義の)エコタウンを研修する「エコバスツアー」は、それぞれ年に2回行われており、実施時期や申し込み方法は各家庭に配布される「市政だより」に掲載されます。

次回は、「響灘をめぐる! エネルギーバスツアー(エネルギー編)」をアップします。

私たちが「ごみ」として出したものが、リサイクル工場で「資源」に生まれかわる様子や大規模な「自然エネルギー施設」を実際に見学することで「ごみを減らす意識」や「エネルギーの大切さ」など、きっと新たな発見・学習ができます。(エコタウンセンターHPより)

【北九州市エコタウンセンター】

〇場所:北九州市若松区向洋町10番地20

〇問合せ:093-752-2881

〇アクセス:《JR戸畑駅》北九州市営バス「戸畑駅」⇒(約30分)⇒「エコタウンセンター」下車(徒歩約1分)

      《JR若松駅》北九州市営バス「若松市民会館前」⇒(約30分)⇒「若松営業所」下車(徒歩約10分)

      〔車〕北九州都市高速「若戸出入口」→新若戸道路(若戸トンネル)「北浜」出口から約10分

筆者

特派員

Duke

縁あって福岡県北九州市に落ち着いて、はや15年。県外の方はもちろん、地元の方にも楽しんでいただけるよう、福岡・北九州の旬な情報を発信していきたいと思っています。

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