安川電機ロボット村「みらい館」を見学してきました!

公開日 : 2019年08月09日
最終更新 :
筆者 : Duke

こんにちは、「地球の歩き方」福岡特派員のDukeです。今日は、福岡県北九州市に本社を置く安川電機が一般に公開しているロボット村を紹介します。

産業ロボットの分野で世界をリードする安川電機は2015年、創業100周年記念事業の一環として、「ロボット工場(第1及び第2)」、「安川電機みらい館」、「安川電機歴史館」から構成されるロボット村をオープンしました。写真右の建物が「安川電機みらい館」、これに隣接するのは本社棟です。

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近未来的な外観の「みらい館」は変則的な3階建て。1階部分は、大きな開口部のため明るく広々としています。

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入り口を入ると、安川電機の事業展開の説明パネルや、特徴的なロボットなどが展示されています。

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こちらは「ロボティクス・サイネージ」。8台の大型ディスプレイを保持するロボットアームが映像に合わせて、あるときは斉一に、あるときはバラバラに、まったく干渉することなくグイグイ動く様子はダイナミックかつリズミカルです。

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こちらは、7軸垂直多関節ロボット(MOTOMAN SIA20)です。ロボットの前後3ヶ所に置かれた青いキューブを、台の間に置かれた仕切り板の下をくぐりながら移動させるという、ウネウネとかなり込み入った動きをするのですが、写真ではその複雑な動きがわかりにくいので、動画(YouTube)を添付しました。ケーブルやホース類が完全に内蔵されている点もすごいと思います。

人体に影響がある薬品などを人に代わって調合する、バイオメディカル双腕ロボット。試験管をそっと持ち上げたり、容器のふたを開けたりと、繊細で精緻な動きが身上で、医療現場で使用されています。

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安川電機は、ロボット開発で培ったメカトロニクス技術を医療・福祉の分野で応用することにより、生活の質を高めるヒューマノミクス機器の普及・開発にも取り組んでいます。これはイスラエルのReWalk Robotics社との提携により、安川電機が販売を手がける医療福祉装置 ReWalk。脊髄損傷により下肢麻痺の障害を受け、車椅子生活を余儀なくされた人が、自力で立ち上がったり歩いたりする動作をアシストする装置です。

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続いて、2階に上がってロボットとのコミュニケーションを体験。このフロアは、ロボットと一緒に遊ぶエンターテイメント性の高い空間となっています。

こちらは上部に示された絵と同じものを下に並んだカードから選ぶというカルタ取りのようなゲーム。下に置かれたカードの枚数によって初級・中級・上級の3段階があり、それぞれ6枚先取した方が勝ちとなります。

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このは「IQロボ」と言って、なんと43,252,003,274,489,856,000通りもの組みあわせを瞬時に計算する能力を持ったロボットです。

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頭部のカメラで捉えたルービックキューブの色と位置を解析して、スピーディにキューブの色を揃えます。的確な動きに感心させられると同時に、キューブを見ては首を傾げて考えるような様子が可愛らしかったです。

このほか、モグラたたきゲームやロボットがミニカーを組み立てる工程など、興味を惹く展示がたくさんありました。

これは、7台のロボットが連携して高速でミニカーを組み立てる様子。この日はミニカーのパーツは使用されず、連携作業のデモンストレーションのみでした。

こちらは、日本サインデザイン最優秀賞を獲得したメカトロニクス・ウォール。高速高精度制御された256個のサーボモーターが128個のキューブをめまぐるしく動かす壁面に、あざやかなプロジェクションマッピングが投影されます。子供のみならず、大人にも人気のスポットでした。

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この日は、2階の一部と3階を使ってワークショップ・フェスティバルが開かれていました。

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夏休み期間中の一般解放日(7月31日~8月2日)だったこともあって、どのブースも大盛況でしたよ。

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続いて向かったのは、安川電機創立当初の歩みを紹介するとともに、同社の記念碑的な製品を展示する歴史館。曲線と直線が印象的に組み合わせられたこの建物は、かつては安川電機の講堂として使用されていました。

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みらい館と違って、こちらの歴史館は人影もまばら。展示されたパネルや貴重な製品をゆっくり見ることができました。

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こちらは、1977年(昭和52年)に製造された日本発の全電気式産業用ロボットMOTOMAN L10の初号機。過酷な環境下での労働から人間を解放し、工場自動化の先駆けとなったロボットです。

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安川電機の創業者は、明治興業の創始者である安川敬一郎と、敬一郎の5男安川第五郎です。私が感銘を受けたのは、第五郎氏が残した『利益を度外視するわけではないが、一時的な利益のために永遠の理想を忘れるものではない』という言葉。このひと言ほど、技術者の心に響く言葉はないと思います。長年培ったロボット技術で世界をリードする安川電機のDNAは、経営者のこのような言葉によって鼓舞され、脈々と受け継がれているのではないかと感じました。

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安川電機ロボット村の見学は、ホームページを通じて事前申し込みを行うことにより可能です。ただし工場見学は、団体(基本10~60人)を対象としたもので、個人(あるいは10人未満のグループ)の申し込みは受け付けていません。他の団体と一緒に見学ツアーに組み入れてもらえないか問い合わせてみましたが、やはりできないとのことでした。でも、年に何度か設けられている「一般公開日」であれば、誰でもロボット村を見学することが可能(ただし、ロボット工場は対象外)です。私も今回、この一般公開日を利用してみらい館と歴史館を見学しました。一般公開日はロボット工場を見ることができないのが残念ですが、みらい館や歴史館だけでも訪れる価値は十分あると思います。ちなみに、次の一般開放日は9月6日(金)と10月14日(月)となっています。

【安川電機工場見学】

 ○安川電機HP(見学のご案内):https://www.yaskawa.co.jp/company/tour

 ○見学可能日:月曜~金曜(土日祝日・会社の休日・会社都合による見学休止日を除く)

 ○見学時間:09:30~11:10、13:10~14:50、15:00~16:40 (各100分)

 ○受付人数:10~60人

 ○場所:北九州市八幡西区黒崎城石2番1号

 ○アクセス:鹿児島本線黒崎駅北口から徒歩5分

 ○駐車場:バスのみ。自家用車の入場は不可。

 ○問い合わせ:安川電機みらい館(093-645-7705)

 ○受付時間:09:00~17:00(12:00~13:00及び安川電機休日を除く)

筆者

特派員

Duke

縁あって福岡県北九州市に落ち着いて、はや15年。県外の方はもちろん、地元の方にも楽しんでいただけるよう、福岡・北九州の旬な情報を発信していきたいと思っています。

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