大正ロマンただよう港町~門司港レトロ
こんにちは、「地球の歩き方」福岡特派員のDukeです。今日は、北九州市の門司港レトロ地区を紹介します。
九州最北端に位置する門司は、目の前に本州を望む海峡の街。門司港周辺には、明治から大正にかけて建てられた建物が保存され、「門司港レトロ地区」と呼ばれています。入り江の向こうに見える背の高いビルは、建築家黒川紀章氏が設計したマンション、レトロハイマート。この31階には門司港レトロ展望室があり、103メートルの高さから関門海峡や門司港レトロの街並みを一望することができます。
レトロハイマートの真ん前に建つのは大連友好記念館。ロシア帝国が大連市に建築した鉄道汽船会社のビルですが、1979年に北九州市と大連市が友好都市となったことから、締結15周年を記念してそっくり複製建築されました。茶と白のタイルに包まれた瀟洒な外観が印象的な建物です。
明治45年(1912年)に建築された旧門司税関庁舎(写真は海側から撮影したもの)。
旧門司税関裏の跳ね橋、ブルーウィングもじ。入り江から発着するレトロクルーズの遊覧船が出入りする際は、約60度の角度まで橋が跳ね上がります。
八角形の塔と明るいオレンジ色の煉瓦が印象的な旧大阪商船門司支店。1階には、北九州市出身の漫画家・イラストレータで、『ハートカクテル』などの作品で知られる「わたせせいぞうと海のギャラリー」があります。
ここに来ると立ち寄るのが楽しみなのですが、ギャラリー内は撮影禁止なので入口だけ撮らせてもらいました。
旧門司三井倶楽部は、大正10年(1921年)に三井物産の宿泊及び接遇施設として建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。
日本での講演旅行のため、大正11年に来日したアインシュタイン博士が宿泊した部屋が、当時のまま「メモリアル・ルーム」として保存されています。(同じ2階に林芙美子記念室があるのですが、こちらは撮影禁止でした)
旧三井倶楽部を出ると、門司港レトロのトロッコ「潮風号」が通過していきました。潮風号は3月から11月の週末に、九州鉄道博物館駅から関門海峡めかり駅の間を運行する観光列車です。
大正3年(1914年)に開業したネオ・ルネッサンス様式のJR門司港駅は、門司港レトロのシンボル的存在。2012年から6年半にわたって保存改修工事が行われていましたが、創建時の姿に復原し今年の3月10日にグランドオープンしました。
小倉駅周辺には松本零士さんのモニュメントが多いのに対し、門司港駅や門司駅周辺では、わたせせいぞうさんの作品をよく見かけます。
復原された駅舎に入ってみましょう。券売機などが設置されたコンコース。写真の左手には緑の窓口、右には、スターバックスがあります。
スターバックス門司港駅店。天井の鉄骨やテーブルの足元などには、九州の鉄道で実際に使用されていたレールが再利用されていたり、列車のヘッドマークを利用したスタバの歴代ロゴマークが壁面に飾られていたりと、九州の鉄道の起点であった門司港駅ならではの演出にも注目です。
1階の待合室では「わたせせいぞう特設ギャラリー」が、6月下旬までの期間限定でオープンしています。JR九州では同じく6月下旬までの予定で、わたせ氏のイラストをラッピングした列車(JR九州811系4両編成)を運行するそうです。ファンにはたまらないイベントですね。
レトロ感が漂うプラットホーム。
続いて、吹き抜けの階段を上がって2階へ。写真でははっきりわかりませんが、重厚なつくりの天井は必見です。
大正時代、行幸啓に際して天皇・皇后が休憩された貴賓室も復原されました。
門司港と言えば「焼きカレー」ですが、この日はもうひとつの門司港名物、「ちゃんらー」を食べに二代目清美食堂へ。この店は、北九州市観光大使でもある、タレントの芋洗坂係長が子供のころ、お母さんが営んでいた清美食堂が復活したもの。だから「二代目」なんですね。
「戦後の貧しい時代に、安価で栄養のある物を」という、清美さんの思いから生まれたちゃんらー。あっさりとした和風ダシにチャンポン麺。じんわりと沁み入るやさしい味です。
こちらは、焼きうどん(小倉発祥です)ならぬ「焼きちゃんらー」。こちらも、なかなか美味しかったです。
関門海峡で隔てられた北九州市と山口県下関市。列車や車で行き来できるのはもちろん、ここ門司港からは船でも渡れます。門司港桟橋を発着する関門連絡船に乗れば、対岸の本州(下関市唐戸地区)までわずか5分。このほか門司港からは、宮本武蔵と佐々木小次郎の決戦場として知られる巌流島への渡船も発着しています。潮風を浴びて、気持ちのよいオーシャン(?)クルーズが楽しめますよ。また、トロッコ列車潮風号に乗って布刈公園まで行けば、海の底(関門トンネル人道:全長780m)を歩いて本州に渡るという、ちょっと変わった体験もできます。
門司港レトロ地区では年間を通じて様々なイベントが開催されますので、機会があったら足を運んでみてください。<詳細はこちら→門司港レトロインフォメーション>
筆者
特派員
Duke
縁あって福岡県北九州市に落ち着いて、はや15年。県外の方はもちろん、地元の方にも楽しんでいただけるよう、福岡・北九州の旬な情報を発信していきたいと思っています。
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