【富士市】愛宕山に残る第二次世界大戦の痕【愛宕山地下壕】

公開日 : 2021年02月13日
最終更新 :
筆者 : わや猫

こんにちは。静岡・富士特派員の、わや猫です。

静岡県富士市にある雨乞山より、南へ300mの地点にそびえる、愛宕山。

ここに第二次世界大戦時に作られた要塞の跡があるとのことで、その確認に行ってきました。

アクセスは、富士山を眺めに訪れた、雨乞山の展望地より。

さらに道を上って進んでいくと、室野中山線という林道の起点があります。

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まずは、この林道を進んで、雨乞山の頂上付近まで登っていきます。

すると、しばらくして愛宕山線という、別の林道の起点が現れました。

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愛宕山へは、この愛宕山線へと入り、雨乞山を東から南へと沿って進むと到着します。

しかし、この愛宕山線。入って早々に、かなり傾斜のきつい上り坂が続いていました。

途中からは傾斜こそ緩やかになるものの、路面が未舗装になるという点にも注意が必要です。

雨乞山を南側まで回り込めば、あとは尾根伝いに愛宕山まで進んでいけます。

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道の脇に建てられた鉄塔を過ぎると、ようやく林道愛宕山線の終点へと到着しました。

愛宕山線の起点から終点まではおよそ600mと、距離自体はそれほど長くありません。

林道の終点には愛宕山の頂上を背にして、平和祈念之碑が建てられてあります。

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またそのすぐ隣には、愛宕山地下壕の概要という説明板も設置されていました。

それによると第二次世界大戦の際に本土決戦に備えて、この地に11の地下壕を掘ったそうです。

その中でも最大となるのが、ここ愛宕山の地下壕で、その全長は81.7mにも及んでいるとのこと。

そんな地下壕の入口は、平和祈念之碑の裏に残っていました。

壕の入口は封鎖されていますが、格子の隙間から内部の様子をうかがうことは可能です。

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通路の幅、および高さは、約1.5m。大人が屈んで、どうにか通れる広さでしょうか。

内部は5本の壕に枝分かれしているとのことで、それぞれの通路の先に小さな部屋が設けられています。

また愛宕山の頂上まで登ってみたところ、ここにも人工的に組まれた石の段がありました。

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おそらく、これが砲台を設置する予定だった、砲座の跡なのだと思われます。

しかし、これらの施設は完成することなく昭和20年7月に建設中止となったそうです。

友ヶ島や、大久野島にあるような軍事遺跡に比べると、その規模は、はるかに小さな物でした。

とはいえ自分の身近にも、このような場所が残っていたと知ることができたことは、今回の大きな収穫となりました。

■愛宕山

・住所: 静岡県富士市岩淵

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