【富士宮市】大晦日に轟く太鼓の音【芭蕉天神宮】

公開日 : 2020年02月02日
最終更新 :
筆者 : わや猫

こんにちは、静岡・富士特派員の、わや猫です。

富士宮市の最南端に位置する、内房(うちぶさ)。

その一角に、大晦日という集落があるのを、ご存知でしょうか?

大晦日と書いて、「おおずもり(おおづもり)」と読みます。

今回訪れるのは、そんな大晦日にある神社です。

アクセスは、富士市側からだと、はたご池の先から続く林道泉水大晦日線を進んで、内房へと入りましょう。

富士宮側からなら、富士川の支流である稲瀬川へと流れ込む、廻り沢川沿いの道を、ひたすら進んで行きます。

元々この辺りは、由比から甲州・信州へいたる塩の道として利用されていたそうです。

上り坂の途中にあるカーブ地点に、目的の芭蕉天神宮へ続く参道が現れました。

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駐車場は、この入口から参道を進んだ先と、入口前から更に坂道を上った先の2ヵ所にあります。

この神社の由緒は、その昔、後醍醐天皇が鎌倉幕府の討伐を行った時まで遡ります。

富士宮浅間大社を信仰していた後醍醐天皇は、戦勝報告をすべく、大納言久我長通を勅使として派遣しました。

その任務を終えた長通ですが、帰途の途中、この大晦日で持病の仙痛の発作を起こし倒れてしまったそうです。

長通は、菅原天神を敬うこの地に祠を建て、余も共に祀ってほしいという遺言を残し亡くなってしまいました。

その遺言から誕生したのが、この芭蕉天神宮ということです。

参道を進んで道を下っていけば、拝殿の前まで到着します。

この拝殿へ来る途中にも、別に白髭神社という小さな祠が祀られていました。

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拝殿の手前に社務所がありますが、その裏には、神社の名前にもついた芭蕉の木が生えています。

また拝殿の隣には、白い馬が祀られた小屋もありました。

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これは、久我長通が乗っていたという白馬を模したものでしょう。

この芭蕉天神宮では、年に1度、例大祭が開催されます。

その際に、この馬小屋の前で、芝川清流太鼓の演奏が披露されていました。

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普段は人気のない静かな神社ですが、この日だけは太鼓の音が周囲の林にまで響き渡ります。

そんなお祭りは以前、2月の第1日曜日に開催されていましたが、2019年より3月の第1日曜日になったそうです。

詳しくは、富士宮市のホームページを参照してみてください。

富士宮市 HP:芭蕉天神宮例大祭

なお、お祭り当日は小規模ながら、焼きそばや、おしることいった出店もあります。

そして拝殿の裏にあるのが本殿です。

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こちらには龍や鳳凰、麒麟の彫刻が施されていました。

さて最後に、神社から林道を少し上った先にある、大納言石も見て帰りましょう。

久我長通が発作を起こした際に、この石の上に横たえられたとのことですが‥‥‥

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僕が見た時には、石全体がマメヅタで覆われてしまっていました。

この石は、またいで通ると罰があたり、合掌してお参りすれば御利益があるといわれています。

また他にも大晦日には、五輪の大榧や、大晦日のタブノキという天然記念物も存在します。

芭蕉天神宮へと訪れた際には、是非それらも一緒に見て回ってみてください。

芭蕉天神宮 住所:静岡県富士宮市内房5819-2

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