【松蔭寺】駿河に過ぎたる原の白隠【すり鉢松】

公開日 : 2019年09月21日
最終更新 :
筆者 : わや猫

みなさん、こんにちは。静岡・富士特派員の、わや猫です。

沼津市原にて、ここ10年ほどかけて行われていた、白隠のみち整備事業。

それがようやく一段落ついたようなので、この夏、久しぶりに松蔭寺へと訪れました。

そもそもの始まりは、10年ほど前。「原のお寺に、すり鉢松なるものがあるらしい。」

という情報の元、まだ整備工事が行われる前の、松蔭寺へと訪れたのが切っ掛けです。

その後すり鉢松は、2010年に枯れてしまったそうですが、現在は2代目すり鉢松があるとの事で

今回は、その2代目のすり鉢松を確認しつつ、整備されたという白隠の里を見て回ってきました。

今回お届けする松蔭寺は、そんな白隠の里の中心に位置している、お寺です。

(以前ご紹介した、帯笑園はこちら。)

松蔭寺へのアクセスは、興国寺城跡通り(静岡県道165号線)の、原交番東交差点より

静岡県道163号東柏原沼津線へ曲がって、東に150mほど進むと、道の南側に松蔭寺の参道があります。

電車を利用して訪れる場合は、JR原駅より、東へ向かって800m。徒歩およそ15分で到着します。

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以前は、セメントで固められただけの道でしたが、ここもお洒落なタイル張りに変わっていました。

およそ50mほどの参道を進んだ先に、松蔭寺の山門があります。

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この山門は江戸文政期に作られた貴重なものとの事で、2016年に、国の有形文化財に登録されています。

山門の先にあるのが、松蔭寺の本堂。この右側に建つ僧堂も、10年前には、まだ建設中でした。

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そして本堂の左側に、天に向かって真っ直ぐ生えている松が見えます。これが、2代目すり鉢松です。

そもそもの始まりは、江戸時代中期。松蔭寺の和尚となった、白隠慧鶴(はくいんえかく)が

台風によって折れてしまった松の枝に、水が入らないようにと備前焼のすり鉢を被せたそうです。

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そのすり鉢は不思議と落ちることも無く、松は、すくすくと成長していったそうですが、

さすがに300年も経つと、木自体が失われ、現在は、この2代目が後を受け継いでいます。

そんな2代目すり鉢松の横から、本堂の裏へ向かうと、白隠の墓も祀られていました。

「駿河には過ぎたるものが二つあり 富士のお山に原の白隠」という詩がうたわれるほどの

名僧だったそうで、半世紀ちかく松蔭寺の和尚を務められた後、84歳で亡くなったとの事。

その途中にある、開山堂という六角形の建物。こちらも、国の有形文化財になっています。

また内部には、沼津市の指定文化財となった、木造白隠禅師坐像が祀られているそうです。

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毎年4月29日(昭和の日)には、お寺の陰干しが行われており、その際に白隠禅師の残した

様々な書画も一般公開されるとの事なので、ご覧になりければ、チェックしてみてください。

松蔭寺 住所:静岡県沼津市原128番地  TEL:055-966-0011

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