ニコちゃんマークかと思ったら反原発

公開日 : 2011年07月27日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香
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故郷の酷暑のニュースを聞くにつけても、気の毒だと思う反面、実はちょっぴりうらやましくなるほど冷夏のドイツ。早朝に車で外出するなど、冷えきった車内の寒気に、思わず暖房スイッチを入れるほど。挨拶代わりに交わされる、「夏、もう終わっちゃったね...」という言葉が、徐々に真実味を帯びてきたこの頃です。

東北大震災前から存在していたものの、震災後、目にする機会がぐっと増えたのが、赤黄の原色コンビも鮮やかなニコちゃんマーク(本日の画像)。ステッカーとして、自家用車のリアガラス(バックガラス)にペタンと貼って走る車両を、ひんぱんに見かけるようになりました。一見するとカワイイ系のメッセージにも見えるニコちゃんマークですが、周囲に太字で書かれているメッセージはいたってお堅く、「原子力?ノーサンキュー」。そう、反原発のシンボルマークです。

本日の画像は、同じシンボルマークが、ステッカーではなくてポストカード形式に作られたもので、「Fukushimaは他人事ではない!」「今こそ(原発施設)操業停止を!」などと添え書きしてあります。さらに、カードの裏面には、市役所の住所と、「私たち市民は、原子力に一切頼らない発電への切り替えを要望します。」という一文が印刷されており、署名欄に自分の住所・氏名を入れるだけで、市長宛の要望書として郵送できるようになっています。

さて、発電方法の如何を問わず、電力使用、節電に対する関心が高いドイツでは、ネットの掲示板にも、「ロウソクと電気、どっちが経済的か教えて!」といった類いの質問が多数寄せられていますが、「どちらが得かは、お前サンが、あと何年生きるつもりかを教えてくれたら、計算してやるヨ」なんていうイジワル回答もあったりして、読んでいて面白いものです。

そもそも、北欧諸国と肩を並べるロウソク消費大国である多いドイツでは、宗教儀式の場ではもちろんのこと、一般家庭においても、ロウソク在庫が切れることがありません。

たとえば、晩ご飯を終えた後のテレビタイム・くつろぎタイムになると、部屋の明かりを消してロウソク数本の灯火に切り替える家庭がありますが、ドイツ人にとって、ロウソクの光りは「心地よさ、くつろぎ」の象徴。薄暗さにくつろぎを見い出すようで、「テレビを観る時は、部屋を明るくしようね!」とクレヨンしんちゃんに教えられた私には、なかなか慣れない習慣のひとつです。

日本同様、原発に替わる新エネルギー源を模索するドイツ。そんな中、節電のみならず「くつろぎタイム」にも寄与するロウソク需要は、今後も堅調に伸びていきそうな気配です。

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