ひっそりとたたずむスティッベルト美術館・庭園

公開日 : 2022年03月01日
最終更新 :
筆者 : 白崎和恵

まだ寒い日が続いていますが、太陽の光は春に向かってだんだん強くなっています。

晴れた日にはお散歩に行きたくなります。

今回は私のお気に入りの場所であり、私の散歩コースでもあるスティッベルト美術館・庭園を紹介します。

フィレンツェ中心にある歴史地区から徒歩で30分ほどの丘の上の住宅街にあります。

Stibbert 1.jpeg

庭園のなかは、静かで犬を連れて散歩している地元の人たちや、

至るところにベンチがあり、緑に囲まれて読書をする人なども。

ピクニックテーブルがあり、週末はよく家族連れや友達同士でランチをする姿が見られます。

スティッベルト庭園は、19世紀に活躍した建築家ジュゼッペ・ポッジが手がけました。

その後、神殿や洞窟、噴水などが置かれ、美しい英国式庭園になっています。彫刻の装飾があちこちにあり、まるで屋外美術館のよう。

ギリシャ神殿は古代ギリシャの円形神殿にならって作られ、天頂のドームにはマヨルカ焼きのタイルがほどこされています。

エジプト神殿は庭園のある丘の下の方にあり、小さな池を臨むようになっています。

■スティッベルト美術館附属庭園

・入場料: 無料

・開園時間: 4月~10月8:00~19:00、11~3月8:00~17:00

・休園日: 木曜日、1月1日、復活祭、5月1日、8月15日、12月25日

Stibbert 5.jpeg

この庭園にあるスティッベルト美術館は、フィレンツェで、英国人の父親とイタリア人の母親の間に生まれたフレデリック・スティッベルト(1838-1906)が住んでいた邸宅で、スティッベルトが集めた武器武具などのコレクションを展示しています。

建物装飾.jpeg

スティッベルトの父親と祖父が軍人で、祖父の時代からの引き継がれた財産を成人した時に相続しました。(コレクションはウェブサイトをご参照ください)

フレデリックのコレクションは、長い年月をかけて収集されました。成人してイギリスでの大学生活からフィレンツェに戻った時に武器武具の収集を始め、その後次第にコスチュームや絵画、タペストリー、家具など様々なものに興味が広がり、コレクションも拡大していきました。遺跡からの発掘品や楽器、宗教関連の品々などもあります。

そのなかでも、日本コレクションは必見。19世紀に日本が開国後、多くの美術品がヨーロッパにも流出し、フレデリックは極東の武器武具に興味を持ち、何度も日本の逸品が展示された万博を訪れています。

日本コレクションの甲冑や兜、刀と槍、刀装具など、多くは桃山時代から江戸時代のものです。

実際に使われていた武器武具、甲冑や兜などの装身具は見る者を圧倒させます。

その歴史と残酷さを物語る武器は、戦いの真実を私たちに見せてくれます。

展示品を見ると戦争は過去のことのように感じられるかもしれませんが、武器武具などの様相が時代とともに変化を遂げただけで、戦争は過去ではありません。

今も戦争が起きていて、この危機に世界中が心配していますが、早く事態が解決して平和が戻るのを心待ちにしています。

一刻も早く平和が訪れ、コロナの流行が落ち着いて自由な海外旅行が再開した際に、少し長めのフィレンツェ滞在で中心地観光は回り尽くしたという方など、この美術館と付属庭園を訪れてみてください。

■スティッベルト美術館(Museo Stibbert)

・入館料: 8ユーロ

・アクセス: フィレンツェ中央駅のすぐ横Valfonda停留所からCarreggi-Ospedale 行きトランヴィア(路面電車)に乗り、4つ目のMuratori-Stazione Statuto停留所で降りて徒歩14分。

・住所: Via Federigo Stibbert, 26 - 50134 Firenze

・開館時間: 月、火、水曜日10:00~14:00 金、土、日10:00~18:00

・休館日: 木曜日

筆者

イタリア特派員

白崎和恵

名古屋出身。フィレンツェ公認観光ガイド。芸術・歴史文化・グルメ情報、旅行や長期滞在のヒントになるような話題をお届けしていきます。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。