【新型コロナウイルス情報】驚き!?アラブ首長国連邦の日常(2/3)

公開日 : 2020年03月30日
最終更新 :
筆者 : Dobami

東京では季節外れの雪が降っているということですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。UAE(アラブ首長国連邦)は、砂嵐の1日です。さて、前回の記事に引き続き、最近のUAEの日常について紹介します!

■UAEならでは!? UAEらしい感染者数の発表内容とは

日本では感染者の報告を「◯◯(都道府県)で◯人発生した」と伝えますが、多国籍なUAEの場合は国籍での発表となります。例えば、3月29日の感染者数の発表は......

one each from New Zealand, Slovakia, Morocco, Greece, China, France, Germany, Algeria, Iraq, Colombia, Venezuela, and Poland; two each from Brazil, Sweden, Ethiopia, Canada, Lebanon, Sudan, Saudi Arabia, and Portugal; three each from Italy and Ireland; six from Egypt; seven each from the UAE and the Philippines; 16 from Britain, and 30 from India.

実に多国籍ですね。感染者の地域や感染ルートを発表しないのは、「◯◯(特定の地域)へ行くのは避けよう」ではなく、「どこにいても感染し得るから自分ができることを徹底する」という意識を根づかせやすい効果があるのかもしれません。

■仕事環境

徐々に規制が変わっていますが、民間企業に対しては「社員全体の30%まで出勤可能」などの規制があります。ただ、肌で感じる感覚としては大多数の会社が、会社やオフィスビルの独自規準で自宅勤務に切り替わっているようです。

■学校生活

2020年3月上旬から、保育園から大学まですべて休校しています。感染者がまだ数十人のときからの早期対策です。休校中は学校お手製のオンライン教育が行われていますが、特に低学年などは朝から午後まで親がつきっきりで指示し、集中させ、動画をとってアップロードし......。共働き世帯も多いため、子供にとっても保護者にとっても文字通りチャレンジングな時期ですね。この未曾有の事態に、まるでYouTuberと化した先生方も、一丸となって取り組む親子にとっても、きっと将来に生きてくる教育の機会になることを願います。

■罰則

UAEは、全住民の約90%を外国人が占めています。人種は実に200以上。だからこそでしょうか、感染者数が増大する前から、早期対策が強固に行われてきました。人口の多い国も対策はたいへんですが、常識の異なる民族の集合体を統制するのもまた難しいことです。「トイレのあとに手を洗う」ことすら、常識だと思ってはいけないんですよね。そのような国柄もあり、新型コロナウイルスに関しては細かい罰則を設けることでより国民の意識が引き締められているように感じます。

<罰則概要(AED1,000~50,000)>(3月29日15時時点)

・自宅検疫の指示を受けた者がその指示に従わなかった場合: 罰金AED50,000

・政府の消毒措置に違反した企業または施設管理者: 罰金AED5,000

・医療施設を不必要に訪問した場合: 罰金AED1,000

・当局の医学的検査受診の指示を拒否した場合: 罰金AED5,000

・自宅から不要不急の外出(真に重要な出勤または必要物資の購入目的を除く)をした者:罰金2,000AED

・集会、会議、公私の祝賀の場に招待・主催した主催者には 罰金AED10,000,参加者には罰金AED5,000

・感染国からUAEに入国した者が当局の予防措置に違反した場合 罰金2,000 AED

・市場、道路、および一時的に閉鎖されていないその他の公共の場所の規制に関して適切な健康対策を講じなかった場合 罰金3,000 AED

・車の乗車人数制限(1台の車に4人以上)を超える運転者: 罰金AED1,000

※当館が当局に確認した結果,運転手を含めて3人までの乗車は問題ないということです。

・慢性疾患,風邪,インフルエンザの症状がある人が屋内で医療用マスクを着用していない場合: 罰金1,000 AED

・社会的距離の維持しようとしない人: 罰金1,000 AED。

なお,違反を繰り返していることが判明した場合、罰金は2倍になります。その後、違反者が3回目の違反を犯した場合には、連邦検察局の緊急危機検察庁に移送されます。

UAEで生活するにあたり、警察とのフェアじゃないやり取りをされた経験談をよく耳にします(し、私もありました)。在住者はそれを重々分かっていますから、規則を守る意識は高いかもしれません。自国ならば、警察官と同じ言語で、そして知っている言語で書かれた書類にサインをし、最悪の場合、同じ言語や似た常識で裁判を受け、同じ言語が飛び交う刑務所に入りますが、ここUAEは多くの人にとって異国の地です。だからこそ、政府の方針に従順に則って過ごせているのかもしれません。

次回も引き続き、「UAEのいま」をお伝えします!

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